スタッキングチェアで実現する理想の客席づくり

2021.11.15
事例特集

スタッキングチェアは、移動観覧席や劇場イスと組み合わせることで、空間の活用の幅を広げ、理想の客席づくりを助けます。 劇場やホールの階段状の客席の前に並べることで、イベントに合わせて席数を調整できるほか、メインとなるイスと意匠を合わせ、補助席や追加席を設けることも可能です。 今回は、劇場・多目的ホールに導入されたイスの中から、フレキシブルに利用されているスタッキングチェアに注目してご紹介します。

01イベントの規模やスタイルに合わせて変化する大ホール

ビッグルーフ滝沢
大ホール

2016年12月、滝沢市交流拠点複合施設「ビッグルーフ滝沢」が誕生しました。生きがいのための学習支援施設、発見・創造のための交流支援施設、活動の受け皿となる市民活動団体支援施設という三つの目的を持った、地域住民の生活を豊かにする施設です。多目的に活用できる大ホールには、移動観覧席とスタッキングチェアが導入されました。

フラットなフロアの後方に移動観覧席を、その前方にスタッキングチェアを並べると、462席が収容できる劇場が出現します。ステージは、フロアの延長線上にあるためフロアと同じ高さですが、「せり」であるスタッキングチェアを乗せた床を下げることで、どの席からもステージを見やすく変更できます。「せり」をフロアより高く上げると、ステージに早変わり。「せり」の後ろに幕を下ろし移動観覧席と組み合わせると、一回りコンパクトなホールとして利用できます。

シンプルなデザインのスタッキングチェアの上台素材は、合成樹脂成形品です。身体に沿った三次元曲面に成形されており、ゆったりと身体を預けることができます。座った時に身体が少し上を向くように設計された広い背もたれが、鑑賞時の姿勢をサポートします。座パッド付きで4.2キロと軽量なことに加えて、シングルタイプの台車に40脚積載できるのも、管理者に好評なポイント。着席者だけでなく、設営者にも配慮したスタッキングチェアです。

02イベントに合わせて席数を調節できる大ホール

長野原町役場・住民総合センター“@長野原”
大ホール

住民総合センターには、図書館や多目的室などのほかに大ホールが設けられました。計画当初より、町は「最大で300席程度のホールが欲しいが、日常的には150席程度の利用」と考えていたため、ホールの客席には、席数を調整できるよう、前方移動式の移動観覧席161席とスタッキングチェア119席の組み合わせを採用しました。

スタッキングチェアは、ホール用に開発されたクッション性の良いアクシスが導入されました。固定式のホールイス同等の座り心地を追求したアクシスは、シンプルな外見と豊かな座り心地が特徴です。

程よい厚みの座には、ウレタンフォームと樹脂繊維コアの二重構造を採用。見た目以上のクッション性をつくりだしています。背中をゆったりと支える三次元曲面の背は、正しい着座姿勢を保ちます。コンパクトな肘掛けは、隣席との仕切りとして役立ちます。脚先のギャンギング機能は、設営時に素早く真っ直ぐに並べることが可能です。

イスの張地は、華やかさと重厚さを持ち合わせたベネチアンレッド。ホール壁面のデザインと相まって、ホール全体の一体感をつくりだしています。

032種類のイスで、映画上映から講演会まで幅広く対応可能な空間を実現

ところざわサクラタウン
ジャパンパビリオン ホールB

2020年11月、所沢に日本最大級のポップカルチャーの発信拠点「ところざわサクラタウン」がオープンしました。ホールBは、映画や演劇、セミナー、トークイベントの開催を目的としたホールです。席数は約200席で、高さと広さを可変できる仮設ステージを備えており、催しに合わせて多様な活用ができます。

今回納入したイスは、固定イスとスタッキングチェアの2種類です。落ち着きのあるカラーで揃えた張地や、木部、メモ台が、映画の上映やビジネス向けの講演会等どのようなシーンにもマッチします。

前方の平床には、移動可能なスタッキングチェア・TS-1212が87席並びます。 背もたれは、固定イスと同様、人間の背中に沿ってカーブを描く三次元曲面です。背裏と肘当てには、肌触りの良い天然木をふんだんに配し、見た目の美しさも兼ね備えています。脚部に設けられたギャンギング機能により、整列も簡単に行えます。

前列に設置された、スタッキングチェアと移動式の仮設ステージを収納することで、フラットな舞台空間が出現します。そのため演劇や劇場映画の上映、トークショーやビジネス向け講演会等、幅広いイベントに対応可能です。

しこちゅ~ホール(四国中央市市民文化ホール)には二つのホールが備わっており、小ホールの愛称は「かるた」です。

客席を構成しているのは、リモコンのボタン一つで展開・収納が可能な移動観覧席(ロールバックチェアースタンド)と、座跳ね上げ式スタッキングチェアです。最大席数を設営する際にスタッキングチェアを並べる前方の床は、電動操作できる昇降式です。リモコン操作で、ステージエリアと客席を同じレベルにする演出が可能です。

移動観覧席が140席、スタッキングチェアが72席です。全てのイスを使えば最大212席のホールとして使用することができ、移動観覧席だけ・スタッキングチェアだけといった使い方も可能です。どちらのイスも同じデザイン・同じ張地で揃えたため、組み合わせた時に統一感があります。

スタッキングチェアは、劇場・ホールの客席向けに開発したTS-1212です。身体にフィットする背もたれと、ゆったりしたサイズのボリュームあるクッションが、一般的なスタッキングチェアとは異なる豊かな座り心地を提供します。座跳ね上げ式のため、着席者に移動観覧席との格差を感じさせにくい点も、魅力の一つと言えるでしょう。

※この記事は、過去に掲載した納入事例記事をテーマごとにご紹介しています。

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