1930年に東京帝國大學(現:東京大学)へ、劇場の客席として生み出した連結イスの特許を用い、木と金属を組み合わせた学生机イスを導入。1953年には、鋼板プレス脚の学生机イスを開発しました。法政大学の建築設計を担当した大江宏氏に脚部のデザインを依頼したこの机イスは、全国の主要私立大学を中心に広く普及し、現在の講義用机イスの基礎となっています。1992年には、人が座る動作に追従して座が動く「座スイングアップ式」の講義机イスを新たに提案。2001年には、講義用の固定イスの脚は後ろの机の脚と一体になっているという概念を崩し、「独立脚式」の製品を世界で初めて開発しました。
動き方は機能的な3パターン

誰もが知る学校家具のスタンダード!
座跳ね上げ式
大学の教室の机とイスと言えば、まず頭に浮かぶ、一目見て誰もが使い方をイメージ可能なデザインです。
このデザインの歴史は、1955年に竣工した法政大学の55年館の大教室の講義用机イスとして、3,000席の製作を行ったことから始まります。学生用の机とイスと言えば鋳物製が当時の主流でしたが、日本初の大量生産に応えるため、鋼板プレスを採用しました。側面から見ると、机の幕板と棚、床に平行に伸びた脚部が「E」を模しており、「教育」の意である「Education」の「E」を表現。
この製品コンセプトは、改良を重ねながら現在まで受け継がれています。

離着席を素早く行えるスピーディーな機能性
座スイングアップ式
離着席の動作に合わせて、イスの座が緩やかに人の動きに追従する「スイングアップ機構」を搭載した製品。イスの座を手で動かすことなく、軽い力でのスムーズな離着席を実現。荷物を抱えたままでも楽に座ることができます。
スイングアップ式のため、座る時のみならず起立時も素早い動作が可能。迅速かつ正確な離着席動作が求められる教育施設でも人気があります。また、背・座ともに広くゆったりとしたサイズ感も特長。ガッシリとした体格の良い学生が多い体育大学などでも活躍します。
腰掛ける位置によって微妙に座を傾けることができ、他の製品に比べて姿勢の自由度が高くなります。

着席までの移動を早め、独立脚で集中力アップ
独立脚式
イスと机が完全に分離したこのタイプは、他とは異なり、着席時にイスの後ろを通り抜ける構造のため、スムーズに着席できます。
着席者がいる端の席を通り抜けて中央の席に座りたい場合、着席者がイスに座ったまま、体を机側に寄せるだけで、イスの後ろに通行スペースをつくることができます。遅れて席に着く学生のために、着席している学生が立つ必要がなく、両者の無駄な動きとストレスを軽減します。
また、1席ずつ独立した脚によってイスが支えられているため、筆記時の振動伝達が最小限に抑えられ、後ろや隣の席からの影響を受けにくい仕様です。
木製と樹脂製、素材の違い
イスのメインとなる素材は木、または合成樹脂です。
木製のイスは、空間に優しく温かみのある印象をもたらします。天然素材ならではの上品さと、ナチュラルな質感が特徴です。合成樹脂製のイスは、スタイリッシュで都会的な空間を演出できます。成形時の自由度が高いため、触感が柔らかです。
また、背もたれは木製、座は樹脂製と素材が分かれている製品は両方のメリットを兼ね備えています。各素材の性質を踏まえながら、空間イメージに合わせてお選びいただくのがオススメです。
パッドの有無で何が変わる
イスの背もたれや座にパッドが付いているイスはクッション性があり、張地にメッシュ素材を使っているため通気が良く長時間座っても快適です。
一方、パッド無しのイスは、飲み物などをこぼして汚してしまった時でもサッと拭き取れるなど、清掃がしやすく、不特定多数の人が座っても清潔さを保ちやすい点が魅力です。
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パッド付き |
パッドなし |
クッション性 |
◎ |
○ |
通気性 |
○ |
△ |
バリエーション |
◎ |
○ |
清掃のしやすさ |
△ |
◎ |
豊富なバリエーション
机の天板や幕板、イスの背座、パッドなど、色や素材を選べる箇所も豊富です。
「学生らしいはつらつとした空間にしたい」
「女子大らしい華やかさが欲しい」
「床や壁の色と同系色に」
などのご要望に応じて、トレンドを踏まえたカラーリングをご提案します。ランダムに色を散らしたり、一部の席のカラーを変えたりなどで個性を演出することも可能です。
独立脚式
講義机イスSD-777-01シリーズ
九州工業大学 飯塚キャンパス AV講義室(リニューアル)
木の温もりと合成樹脂のフィット感をあわせ持つ机イス
独立脚はスムーズな通り抜けと隣席の振動を最小限に
SD-777G-01
イスの脚と机の脚をそれぞれに設けた、独立脚タイプの新シリーズです。
一般的な固定式の講義用机イスは、イスの脚を後ろの机の脚が一体となっていますが、SD-777シリーズは、それぞれの脚を独立させることによって、周囲の席からの振動伝達を抑えました。集中して授業に臨むことができます。また、他の学生が着席している時でも、その後ろを通り抜けることができます。着席している学生は、無理のない前傾姿勢をとることによって席の後方の通路スペースを空け、通行者を通すことができます。
イスは背と座が分かれたツーピース構造です。背もたれの高さは、従来品よりも10mm高く設定し、座はカーブを増やしてホールド感を高めるなど、座り心地のブラッシュアップを図りました。素材には、背には温もりや落ち着きを感じさせる天然木を、座にはフィット感の高い合成樹脂成形品を使用し、デザイン性と機能性が向上しました。
イスの背・座へのパッド有無、机の脚のサイドパネルの有無が選べます。
独立脚式
講義机イスSD-777-08シリーズ

三次元カーブの合成樹脂の背と座が身体にフィット
独立脚は隣席からの振動伝達防ぎ集中力を向上
SD-777G-08Z
イスの脚と机の脚をそれぞれに設けた、独立脚タイプの新シリーズです。
合成樹脂製の三次元カーブの背と座は、着席した学生の身体にフィットするよう計算して設計されています。授業中の長時間の着座による疲労感を軽減するだけでなく、「聞く」「書く」の姿勢を正しく導きます。着席するためイスを引きやすいよう、背もたれには手掛け穴があります。
大学の講義室や教室でポピュラーな固定式の講義用机イスは、その多くがイスと後ろの机の脚が一体になったタイプです。SD-777-08シリーズはそれらの机イスと異なり、イスの脚を机の脚がそれぞれ独立したタイプです。これによって、前の席のイスからの振動が机に伝わって「揺れる」「書きづらい」等の心配や、後ろの机で筆記を行う振動がイスに伝わって体に響いたりすることなく、快適に授業に臨むことができます。また、他の学生が着席している時でも、その席の後ろを通り抜けることができます。
イスの座のパッド有無、机の脚のサイドパネルの有無が選べます。
座スイングアップ式
講義机イス SD-331シリーズ
昭和女子大学 80年館西棟 コスモスホール
人の身体に追従する「スイングアップ機構」を搭載
離着席がしやすくゆとりのある講義机イス
SD-331-63M
座面が緩やかに人の動きに追従する「スイングアップ機構」を搭載した、着席・離席のしやすいシリーズです。
スイングアップ機構は、離席・着席の動作に合わせて、イスの座が人の臀部〜腿裏に追従するように動く仕様です。座るためにイスの座を手で動かす必要がなく、荷物を抱えたままでも楽に臀部を座面に合わせてスライドすることで、座ることができます。
このスイングアップ機構は、座を跳ね上げるタイプの机イスに比べて、座る学生の腿の周囲を広く取ることができます。そのため、座跳ね上げ式の机イスからリニューアルをする際には、前後ピッチは変えないままで、1席あたりのスペースにゆとりを持たせることができます。また、天板を広く取ることも可能です。通路スペースが狭くて困っていた教室の改修やリニューアルに適した製品です。
イスの素材(合成樹脂または成形合板)、イスの背・座へのパッド有無が選べます。
座スイングアップ式
空調機能付き講義机イス My Air シリーズ
工学院大学 八王子キャンパス 総合教育棟
全席を均一に温度調節ができる
環境選択型次世代空調システムを搭載
SD-331-82D
イスの背もたれにエアーコンディショニングシステムを備えた、空調イス My Airシリーズです。
My Airシリーズは、学生が多く集まる大学の教室・講義室でも、ドラフト(不快な冷感を与える気流)を感じない、座席個別の安定した気流を提供します。天井・壁・床・などに吹き出し口を備えた一般的な空調システムとは異なり、居室全体ではなく、学生が座っているまわりだけを効率良く空調できます。吹出し位置は、背もたれの上部小口に設けました。着席した学生ひとりひとりでの温熱環境の調整ができるため、学びの環境としての満足度が高まります。
イスには、座面が緩やかに人の動きに追従する「スイングアップ機構」を搭載しました。着席・離席のしやすいシリーズです。離席・着席の動作に合わせて、イスの座が人の臀部〜腿裏に追従するように動くため、座るためにイスの座を手で動かす必要がなく、荷物を抱えたままでも楽に座ることができます。
イスの素材はあたりの柔らかな合成樹脂、イスの座へのパッド有無が選べます。
日本初。高密度な教室・講義室のための環境選択型次世代空調システム


空調方式による教室内の温度分布の違い
床吹き出し空調では席によって温度差が生じますが、イス吹き出し空調では全席で均一に温度調節を行うことができます。

座席エリアを効率よく空調
空調の吹き出し口は、イスの背もたれの上部小口に設けています。学生の首筋に直接気流が当たらないよう、V字に給気。冷たい気流が直に体に当たることはなく、吹き出し口が人体に近いことから、空気質の向上や効率的な運転が可能です。

ポジショニングにより空調環境を選択
姿勢を変化させることで空調・温熱環境の選択が可能。冷房時、暑い時は後傾に、寒い時は前傾になることで、その効果を調整できます。イス内部の給気経路がイスの背板自体を冷やすため、人体最大の放熱面である背中の冷却効果が得られます。

安心で確実なデバイス
室内空気の誘引口が異物排出口を兼ねているため、ダクトや二重床内に異物が落下することはありません。プランニングや施工時に、吹出し口のシビアな位置調整は不要です。運用時に吹出し口の細かいチューニングも必要ありません。
座跳ね上げ式
講義机イスSD-190シリーズ
城西大学 坂戸キャンパス 10号館 10-502講義室
講義室のスタンダード
座跳ね上げ式の固定式講義机イス
SD-190-88M
1953年に大量生産化を実現して以来、全国の大学教室・講義室でメジャーとなった座跳ね上げ式のシリーズです。スタンダードな製品として、長い年月を経て進化を遂げながら、今も尚、根強い人気を誇る製品です。
人間工学による背と座の位置関係に基づき、適性を高めて省スペースを実現しました。通路寸法は従来より広い330mmを確保可能。通り抜けが楽に行えるようになりました。
座裏カバーが必要ない仕様のため、カバー付の講義机に比べスマートで、足元のスペースにゆとりがあります。広い座面はゆったりとした座り心地を提供し、長時間の着座でも疲れることがありません。
座の上げ下げの際に指を挟むことがないよう、着座起立のストッパーは起立ユニットに内蔵。安心・安全な設計です。
製品比較
※記載している寸法は標準寸法です。標準寸法以外はお問い合わせください。