劇場、ホールおよび集会場の客席レイアウトは、建築安全条例および火災予防条例により、その配置や連結数が規制されています。各都道府県によって多少の違いはありますが、東京都の条例を例にとり、適用すると下記のようになります。
- 一人分のイス間口は、芯々420mm以上とする。
- 縦通路は800mm以上(片側通路の場合は600mm以上)とし、避難経路の想定通過人数に応じて幅員(人数×6mm)を確保する。
- イスの背の間隔(前後間隔)は、800mm以上とする。ただし、前席の最後部と後席最前部は水平投影距離で350mm以上とする。
- 客席部通路は、客席8人を超える場合は、前席最前部の水平投影距離350mmに、1席あたり10mmの割合で広げること。ただし、20席を超える場合は20席とする。
n席の場合 : 350mm+(n−8)席×10mm/席
(片側通路の場合は、<基準席数×1/2>として算出する。)
- 通路が段床の場合、蹴上げは8cm以上18cm以下とする。踏面は26cm以上とする。
- 縦通路の高低差が3mを超える場合、その高低差3m以内ごとに横通路を設ける。
例:左図の配置でイスタイプ5Rの場合
350mm+(10−8)席×10mm/席=370mm
各段奥行は370mm+405mm=775mm以上あればよい。
イスタイプ |
離席時イス奥行(mm) |
P |
485 |
L・LW |
410 |
5ATR |
425 |
5R |
405 |
S |
120 |
CS01 |
140 |
VISION |
260 |
参考
東京都火災予防条例・第四十八条・第二項
いす背の間隔(いす背がない場合にあっては、いす背に相当するいすの部分の間隔とする。次条において同じ。)は八十センチメートル以上とし、いす席の間隔(前席の最後部と後席の最前部との間の水平距離をいう。以下この条において同じ。)は三十五センチメートル以上とし、座席の幅は四十二センチメートル以上とすること。
東京都火災予防条例・第四十八条・第五項
イ いす席を設ける客席の部分には、横に並んだいす席の基準席数(八席にいす席の間隔が三十五センチメートルを超える一センチメートルごとに一席を加えた席数(二十席を超える場合にあつては、二十席とする。)をいう。以下この条において同じ。)以下ごとに、その両側に縦通路を保有すること。ただし、基準席数に二分の一を乗じて得た席数(一席未満の端数がある場合は、その端数を切り捨てる。)以下ごとに縦通路を保有するにあつては、片側のみとすることができる。
ロ イの縦通路の幅は〇.六センチメートルに当該通路のうち避難の際に通過すると想定される人数が最大となる地点での当該通過人数を乗じて得た幅員(以下この条において「算定幅員」という。)以上とすること。ただし、当該通路の幅は、八十センチメートル(片側のみがいす席に接する縦通路にあっては、六十センチメートル)未満としてはならない。
ハ いす席を設ける客席の部分には、縦に並んだいす席二十以下ごとに、及び最下階にある客席の部分の最前部に算定幅員以上の幅員を有する横通路を保有すること。ただし、当該通路幅は、一メートル未満としてはならない。
東京都建築安全条例・第四十七条・第2項二
段を設ける場合は、けあげを八センチメートル以上十八センチメートル以下とし、踏面を二十六センチメートル以上とすること。
東京都建築安全条例・第四十七条・第3項
興行場等の客席の段床を縦断する通路の高低差が三メートルを超える場合は、その高低差三メートル以内ごとに横通路を設けなければならない。