東京都立大学 南大沢キャンパス
講堂 大ホール

2026.10.15
学校講堂・レクチャーシアター

施設説明

30年以上使われてきた客席を、既存部材を生かしてリニューアル

東京都立大学の南大沢キャンパスには、正門すぐの左手に、大小二つのホールを擁する講堂があります。約1,200席を備える大ホールは、学内で最も多くの人数を収容できるホールとして、新入生への履修ガイダンスや学生団体の発表、講演、学会など、竣工以来30年以上にわたり、さまざまな用途で利用されてきました。学生たちにとって大学生活に欠かすことができない大ホールを、これからも長く使い続けるため、2026年にスタートしたのが、客席のリニューアルプロジェクトです。
既存のイスには、長年の使用によって張地が破れるなどの経年劣化が見られたことから、更新が検討されました。当初は新しいイスへ入れ替える計画でしたが、大切に使われてきたイスの木部や金物の状態が良好だったことから、部材のリユースが決定。背と座のクッションを新しくすることになりました。
改修にあたっては、1度すべてのイスを取り外し、背・座パッドを交換。新たに張られたカーペットの上に再設置する流れで進みました。肘当と収納式のメモ台は全て既存品を再利用し、背板や側脚の化粧パネルも状態に応じて既存品を生かしました。再設置後、木部の傷んでいる部分には同色の塗料で細かなタッチアップを施し、30年以上にわたってホールの風景を形づくってきた意匠を受け継いでいます。

既存の木部を受け継ぎながら、クッションのアップデートで新たな座席へ

新しくなった客席には、既存のあたたかな色味の木部に、落ち着いたグレーの張地を組み合わせたイスが並びます。従来の背もたれのクッションは、背中を支える部分と頭部のパッドの二つに分かれていましたが、ひとつづきのシンプルな形状にアップデートを図りました。既存の木部が持つ風合いを残しながら、モダンな表情に生まれ変わっています。
大ホールの壁にはステンドグラスがあり、差し込む光は角度によって客席やコンクリートの内壁にも落ちます。長年使われてきた木部と新たな張地に包まれた背と座が、建築そのものが持つ意匠と調和し、これまでの大ホールの雰囲気を継承しながら、令和の学術空間に相応しい客席をつくり上げています。

長時間の利用にも応える、快適性を高めたイス

今回のリニューアルでは、見た目だけでなく座席の機能も進化しました。
新しい座には、コトブキシーティングが開発した「スペーシア」を採用しています。膝裏にあたる座の先端を細くすることで足元のスペースにゆとりが生まれ、着席時に足を引きやすい、スムーズな立ち座りや通り抜けをサポートします。
さらに、座の起立方式も従来のセルフライジングから自動緩起立へと変更しました。離席すると座が自動的にゆっくりと上がるため、動作時の衝撃や音を抑えることができます。長時間にわたって使用されることも多い大ホールで、ゆったりと座れる快適性と、静かな聴講環境の両方を追求しました。
最後列には、車イス利用者を想定した、収納式テーブルLT-100を3台設置。車イスに乗ったまま、必要な時だけ天板を引き出して使用できるバリアフリー仕様のスペースです。

施設概要

東京都立大学は、「学問の力で、東京から世界の未来を拓く」を掲げ、豊かな人間性と独創性を備えた人材の育成を目指す総合大学です。2005年に「首都大学東京」として開学し、2020年4月に現名称へと改称しました。分野横断・文理融合型の教育をはじめ、高度な専門性を育む教育を展開しています。南大沢キャンパスは、多摩丘陵の豊かな自然に囲まれており、全学部の1年生が基礎科目群をはじめとする教育プログラムを履修する場として、学部を越えた学びに開かれています。キャンパス内の講堂には大小のホールがあり、2026年に改修工事が完了。大学主催の行事や学生・教職員による教育・研究活動などに幅広く活用されています。

居室データ

所在地
192-0397 東京都八王子市南大沢1-1 地図
施主
東京都立大学
リニューアルオープン
2026年3月
席数
1,197
関連リンク
東京都立大学 WEBサイト