三条市図書館等複合施設 まちやま
サイエンスホール

2025.04.24
多目的ホール(可動席)

施設説明

科学教育を柱に進める持続可能なまちづくり、その新たな拠点

新潟県三条市は、鍛冶を中心とした金属加工産業都市として伝統を持つ「ものづくりのまち」です。近年、次世代の子どもたちが「ものづくり」に対する資質を育むことを目的として、科学への好奇心や探求心を高める科学教育の推進が盛んに行われています。この取り組みは教育移住関心者の心も強く掴み、2019年からの5年間で市外からの移住者が約5倍に増えました。少子高齢化や人口減少が課題となる中、しなやかに持続可能なまちづくりを進める地方都市として、全国でも注目を集めています。
2022年7月に新たに誕生した図書館等複合施設「まちやま」には、市の科学教育の基盤である科学教育センターが設けられました。1階にあるサイエンスホールでは、地域の子どもたちを対象に、センターの科学講師が実験教室「サイエンスショー」やプラネタリウムの上映を定期的に無料で行い、科学への興味関心を訴求しています。

シアター形式と平土間形式、多様なレイアウトにも対応できる全体移動式の移動観覧席

ひろばが見えるガラス張りの壁が、明るく開放的な印象を与えるサイエンスホール。講演会やコンサート、約300インチの大きなスクリーンを利用した映画上映など、多様なイベント会場になる空間です。移動観覧席とスタッキングチェア、可動式のステージが導入されており、専用の倉庫に全てを収納するとフラットな広いスペースに変わります。
手動で操作する移動観覧席100席は、3台で構成されています。通常はステージを正面にして3台を連結した一つの客席として設営していますが、催しやイベントの規模に応じて左右どちらかの観覧席を収納するなど、席数を調整することができます。段の展開・収納やイスの収納には、専用ハンドルを使用します。移動させる時には、イスと各段を収納した後にリフター台車を用い本体をフロアから持ち上げます。

快適性と機能性を両立したイスに、施設オリジナルのフォントを添えて

搭載したイスは、スリムなフォルムでウレタンクッションの柔らかな座り心地を提供するCS01。三次元ニット製法で仕上げた高耐久立体メッシュで張り包んでいるため、長時間座っても通気が良く快適です。空席時には背と座がぴったりと寄り添い垂直に起立するため、座席前の通路スペースをスムーズに通り抜けできます。座裏の席番プレートのフォントを施設のロゴやサインと統一することで、視覚的な一体感を図りました。

施設概要

世界的な建築家である隈研吾氏が設計を手掛けた三条市図書館等複合施設は、2017年に閉校した三条小学校の跡地に誕生しました。木がふんだんに使われた外観がまちの中にある大きな山のように見えることから、市民の公募で決まった愛称は「まちやま」です。施設のコンセプトは「学ぶ、見る、触れる」。図書館、鍛冶ミュージアム、科学教育センター、屋外ひろばが、既存施設の屋根付き交流広場「ステージえんがわ」と一体となった、にぎやかさと静けさが共存する設計です。

居室データ

所在地
955-0072 新潟県三条市元町11−6 地図
施主
三条市
設計
隈研吾建築都市設計事務所
オープン
2022年7月
席数
100
(移動観覧席のみの席数)
関連リンク
三条市図書館等複合施設 まちやま WEBサイト