工学部の新設に伴い誕生した開放的な大教室
2024年4月、麗澤大学では初の理系学部となる工学部の新設に伴い、その拠点となる新校舎「さつき」が誕生しました。設計コンセプトは、共創の場となる環境・環境創生型の建築。制作したロボットなどの動作実験や競技会に向けた練習などが行える大型実験室「iArena」や、2フロア分の高さを持つ大階段をメインとしたラーニングホールをはじめとした、共有スペースも多く設けられており、学生同士が交流しながら学び励むための活気ある学習空間が整っています。
3101大教室は、約200名を収容可能な新校舎の中でも最も大きな教室です。大きなガラス窓で左右正面を囲まれており、明るく差し込む自然光が壁や天井の木製ルーバーと調和し、開放感のある空間を創り上げています。スクリーンが3台設けられた教壇スペースはフラット。それをやや見下ろし囲むような形で、左右中央3ブロックの机イスが多角状に階段形式で並びます。どの席からでも講義が見やすいレイアウトです。
左右両側の通路にはスロープを設け、車イスユーザーでも利用できるバリアフリーに配慮した環境を創り上げました。教室後部にある可動式のパーテーションを開ければ隣接するラーニングホールと繋がった大規模なイベントスペースを創り出すこともできます。
天然木とブラックを組み合わせた、固定席と移動席
教室に並ぶ机イスの大部分を占めるのが、独立脚式講義机イス
SD-777シリーズです。イスと机が完全に分離したタイプのため、学生が着席したままその後ろをスムーズに通り抜けることができます。他の席のイスからの振動が自席や机に伝わることがないため、授業への集中力も高まります。イスは背と座が分かれたツーピース構造。後ろ姿が美しい天然木の背もたれには、張り包みの座にも使われたウレタンフォーム入りのパッドを取り付けました。長時間の講義でも、快適な座り心地を提供します。
教壇スペースと接する1列目の一部と、教室の出入り口に近い後部の席には、アクティブラーニングデスク
SD-610FF2シリーズが並びます。卓上に教材などを置いたまま動かせる移動レバーと、天板をフラップする収納レバーの二つが天板の下に備わっており、ワンタッチでアクティブに机を動かすことが可能です。レバーを握ったときだけ脚ベースに収納されたキャスターが出現するため、常に露出するタイプの机に比べて安定感があり、足が引っかかって躓くなどのトラブルも予防します。教壇スペースを広く使うときや、後部のパーテーションを開放しラーニングホールと繋がったイベントホールを創り上げるときに、フラップしてコンパクトに寄せることもできます。天然木を使ったスタッキングチェア
FC-7545Mを組み合わせ、SD-777シリーズとの調和を図りました。スタッキングチェアを使わず、車イスのまま利用することも可能です。通路にスロープがあるため、前方後方の好きな席を選んで座れます。
各イスのパッドの色は、ダークカラーの幕板や机の脚部とも自然に馴染み、空間をスタイリッシュに印象づけるブラック。全ての席にパソコンやタブレットの充電に便利なコンセントが設置されており、学生が自身のデバイスを使用しながら学習を進められます。
3101大教室を出てラーニングホールから2階を見上げると、約60名を収容可能な階段状の3201教室が見えます。3201教室にも同じ机イスを納入し、新校舎の教室デザインの統一を図りました。
施設概要
麗澤大学は1935年に開塾した道徳科学専攻塾を前身とし、「知徳一体」の教育理念のもと、グローバルな視野を持つ人材育成を目指しています。千葉県柏市に位置する緑豊かなキャンパスには、外国語学部、経済学部、国際学部に加え、新設の工学部、経営学部があり、留学制度や国際交流プログラムも充実するなど、学際的な学びが可能です。工学部の新たな拠点となる新校舎「さつき」の名前には、新しい学び舎で学生一人ひとりが明るく、力強く育ち、それぞれの花を咲かせられるようにという想いが込められました。