地域住民の憩いの場として生まれた複合公共施設
大分市荷揚複合公共施設は、「地域住民や訪れる人が安心して快適にすごせる憩いの場の創出」をコンセプトにした複合公共施設です。防災機能である消防指令センター、災害対策本部室、消防局や市役所といった行政機能と、大分中央公民館や府内こどもルームなどのコミュニティ機能を共存させることをテーマとし、賑わいを創り出す公共施設を目指しています。
なかでも多目的大会議室は、人を呼び込む特別な場所として平日は大分市主催などの公的な講演会に、休日は市民に向けて開放するなど多彩なニーズに応えるため、移動観覧席を導入しています。
座り心地と使い勝手の良さを両立した移動観覧席
多目的大会議室は最大250人収容可能で、120席の
移動観覧席が、ホールの後方の壁面側に設置されています。大会議室の後方からでも前方が見やすいように配慮されて設置されました。
使用するときは展開し、未使用時は壁際に収納して平土間にし、さまざまなイベントに活用ができます。操作の途中でも容易に止めて安全が確認できる、手動式タイプが選ばれました。シンプルな操作手順のため、スムーズなセッティングが可能です。
移動観覧席に搭載されているイスはコンパクトでありながらクッション性に優れた
CS01を採用。背と座に使用しているウレタンクッションは、通気性の良い高耐久性立体メッシュの張地で包まれているので、長時間座っていても汗で蒸れにくく、快適な座り心地が持続します。離席の際には、背座がぴったりと合わさり、コンパクトに折りたためるため、座席の前を通り抜けにも邪魔になりません。
簡単操作で扱える移動式ステージを設置
多目的大会議室には、講演会などの用途に利用するための
キャスター移動式フォールディングステージ FS-055を導入しています。
ステージにはキャスターが付いているほか、折りたたみすることができ、簡単に展開・収納・移動することが可能です。必要なときに、必要な規模のステージをすばやく設置できるため、さまざまな用途に利用する多目的会議室に最適です。
また、操作方法も簡単で、展開するときはキャスターが自動的に上がって脚に支持され、収納するときはキャスターが下がって移動可能な状態になる仕組みになっています。手動でキャスターを上げ下げする必要がないため、短時間ですばやく展開・収納することができます。なお、各脚のアジャスターを使えば高さも自由に調節できるので、複数のステージを並べたときでも段差が発生しにくく容易に設置できます。
森と海をイメージした自然豊かな大分を感じさせる空間
大分市荷揚複合公共施設では自然の要素を採り入れることをデザインコンセプトに、内資材や家具などに地域材であるスギをふんだんに使用しています。
また、海に近い立地であること、大分市の市章のカラーでもあることから、爽やかなブルーを移動観覧席のイスや大会議室前のホワイエのカーペットなどの各所に採り入れています。移動観覧席のイスの張地は海を思わせる2色の青色を明るくランダムにバランスよく配置することで、天然木のルーバーとあわせて、自然豊かな大分を感じさせる空間づくりを実現しています。
施設概要
大分市荷揚複合公共施設は、2017年3月に閉校した荷揚町小学校の跡地に整備され、2024年4月にオープンした複合公共施設です。
1~2階は市民コミュニティ拠点として、親子で気軽に遊べる府内こどもルームや、フリースペースを設置した中高生の学習スペース、展示会やイベントなどで使用できるコモンスペースなどを整備。隣接する磯崎新氏設計の名建築として著名な大分市アートプラザと連携し、市民ギャラリー機能を拡張する施設としても設計されています。一方、3~6階は市役所庁舎として、おおいた消防指令センター、災害対策本部室や多目的大会議室などを設置しています。おおいた消防指令センターは国内でも珍しい大分県下の消防指令センターを統合させ、共同運用していくことを実現したセンターで、全国から注目を集めています。
年中人が集う安心・安全なコミュニティスペースと、大分城址公園に面した景観を楽しめる多目的大会議室の2つの異なる空間を設けることで、行政機能とコミュニティ機能が共存し、高い稼働率を実現しています。