東神楽町複合施設 はなのわ
文化ホール「花音」

2025.02.10
多目的ホール(可動席)

施設説明

人々が行き交い交流する「わ」を生む、「花のまち」の新しいシンボル

町民が自然と集い繋がれる「わ」となることを願って建設された東神楽町複合施設「はなのわ」。役所機能のほか、図書館や診察所、キッチンスタジオ、バスの待合所、最大約450人を収容できる文化ホール「花音」が併設されており、各居室が円形の回廊で結ばれています。
建物全体を取り囲むようにアカエゾマツが植えられ、ガーデンの美しい植栽は旭川市出身のガーデナーである上野砂由紀氏によって設計されました。役所や図書館を訪れた市民をはじめ、診察所から帰る患者や近隣の園児などが花見に集う、町民憩いの場です。
施設と文化ホールの愛称は、それぞれ町民からの公募によって決まりました。「はなのわ」は、「花のまち」に生まれたこの施設が「人と出会い、人の輪の暖かさを感じられる場所になってほしい」という願いに、「花音」は音楽用語「カノン」にちなみます。
ホールは、音楽や演劇、講演会などの舞台と客席を必要とするイベントから、パーティや展示会などのフラットな広いスペースが必要な催しまで幅広く対応できるフレキシブルな空間です。

ホールの多目的利用を促進する可動式の客席

ベンガラ色の明るい内装のホールに採用されたのは、シックなブラックカラーの移動観覧席280席とスタッキングチェア160席。すべてのイスが可動式のため、客席の有無を選べるだけでなく、移動観覧席だけを展開したり必要な数だけのスタッキングチェアを並べたりなど、催しに応じて客席数やレイアウトを調整することができます。
移動観覧席は、イスの起立・転倒操作が手動式、本体の展開・収納操作が電動式のセミオートタイプです。専用ハンドルで座席を倒した後にリモートボタンを押すと、10段から成る移動観覧席が折りたたまれてホール後方の壁内に設けられた専用収納庫に収まります。
再び客席を設営する際には、展開ボタンを押して収納庫から10段の移動観覧席を繰り出し、倒れた状態のイスに手を掛けて起こします。スタッキングチェアを省スペースにコンパクト収納できる専用台車もあり、短い時間と少ない人手による客席の設営や撤収を可能にしています。

座り心地の良さと動線や設営のスマートさを兼ね備えたイスを選定

快適性を重視して選ばれた移動観覧席の搭載イスCS-01は、スリムな装いながらも、背と座にウレタンがしっかりと詰まったクッション性の高い座席です。通気性に優れた高耐久性立体メッシュで張り包まれており、長時間に及ぶ公演でも蒸れづらい座り心地が特徴です。
離席すると背と座はぴったりと寄り添い垂直に起立するため、座席前の通路スペースが狭まることなく、通行がスムーズ。移動観覧席の最後列から2階のホワイエに出入りできる点も、快適な動線に一役買う仕様です。
スタッキングチェアFC-310は、脚先に備えたギャンギング機構で様々なレイアウトのスマートな設営に貢献します。二層構造になった座のクッションは適度な反発力のある座り心地を生み出し、着席者を抱くように緩やかにカーブした背もたれでしっかりと身体を支えます。

施設概要

町内に旭川空港を持つ北海道東神楽町は、「花のまち」として知られます。2017年からスタートしたのは、点在していた稼働率の高い公共施設を集約し、今後の人口減少社会に対応するコンパクトなまちづくり事業。そのひとつとして2024年8月には、東神楽町複合施設「はなのわ」がオープンしました。「記憶に残る一つの風景」をコンセプトに、町出身の建築家である藤本壮介氏が設計を手掛けた、各居室が円形の回廊で結ばれた印象的な建築です。

居室データ

所在地
071-1592 北海道上川郡東神楽町南一条西1-3-2 地図
施主
東神楽町
設計
基本設計/株式会社藤本壮介建築設計事務所、実施設計/ドーコン・創明建築設計事務所共同企業体
オープン
2024年8月
席数
440
(移動観覧席280、スタッキングチェア160)
関連リンク
東神楽町 WEBサイト