吹田市文化会館 メイシアター
大ホール

2023.07.05
劇場・コンサートホール
before
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施設説明

「メイシアター」が市民待望のリニューアルオープン

1985年に竣工した吹田市文化会館 メイシアターは、2018年の震災を機に、安全性と耐震性の向上をめざして大規模改修工事を実施しました。
なかでも客席の改修は、快適性と利便性を向上するため、特にバリアフリーの観点から行われました。そして、2020年9月に市民待望のリニューアルオープンを果たしたのです。

施設の愛称「メイシアター」は、市の花が「サツキ」であることから新緑あふれる「五月」、更にはそれを表す英語の「MAY」と、可能性を表わす助動詞の「May」に由来します。
館名に託された、未来への希望にもつながるリニューアルとなりました。

イスの入替でデザインと座り心地をグレードアップ

コトブキシーティングは、大中小三つのホールの客席改修を行いました。
1,382席の大ホールは、充実した舞台装置とオーケストラピットを備えており、コンサートのほかオペラ、バレエなどに対応しています。
竣工後約35年が経過していたため、座席には経年劣化によるウレタン等の傷みが見られました。そこで、座り心地を改善し、印象を一新したいという吹田市からの要望を受け、イスの入替を行いました。

以前のイスは背もたれ全体を張地で包んだタイプでしたが、新たなイスは背と肘に木を使用し、グレード感を高めました。背もたれの厚みを薄くすることで、改修前に比べて席の前後間隔にゆとりを生み出しています。それにより、客席のコンセプトの一つである、個室感(プライベート感)を実現しました。

座は、座面のクッションが座裏の板を巻き込むようなデザインが特徴的です。
型崩れに強いモールドウレタンと、体圧を均等に分散する耐久性に優れた波形スプリングを内蔵しています。着席時の衝撃を和らげ、長時間の着座でも身体への負担を軽減する形状を追求しました。
また、座が緩やかに起立する機構を搭載しており、離席時の振動や衝突音が発生しません。ホール内の雰囲気を損なうことなく、静粛性を保つことができます。

サツキをモチーフにした存在感ある客席

張地は、コトブキシーティングのグループ会社 株式会社FABRIKOが手掛けた特注品です。市の花でありホール名の由来でもある「サツキ」をモチーフとしたデザインになっています。
設計者こだわりの壁面タイルと調和するよう、幾何学パターンでサツキの雄蕊と雌蕊を表現しました。ベースの赤系2色のランダムな縞は、色に深みを出し、汚れも目立ちにくいようにと配慮されています。
以前のクラシカルで落ち着いた色から、装いを新たにした「サツキ色」がホールを明るく華やかに彩ります。大きくイメージを一新したホールの姿は、市民の方々にも大変好評です。

また、今回の客席改修の大きな目的であったバリアフリーにも対応しています。車イス席を5席から12席へ増設したほか、1階中通路より後ろの席と2階席には手掛けを設置しています。径の大きな丸形の手掛けによって、誰もが歩行や階段の昇り降りを安全に行うことができます。

リニューアルにより、安全で快適な空間へ生まれ変わった吹田市文化会館。今後もより一層、長く市民に愛され続けるホールとなることでしょう。

施設概要

1985年に開館した吹田市文化会館 メイシアターは、大ホール、中ホール、小ホールや展示室などの施設をあわせ持つ多目的ホールです。
今回の改修工事では、客席のほか、大ホールのホワイエにエレベーターを設置、トイレ(温水洗浄便座化)の一新、館内の案内サインのリニューアルなどが行われました。また、ホールの天井改修にあたり、音響反射板等も更新され、音響性能をさらにあげることで高精度の音響施設としてブラッシュアップされています。

居室データ

所在地
564-0041 大阪府吹田市泉町2-29-1 地図
リニューアル
2020年9月
席数
1,382
施主
吹田市
設計
株式会社東畑建築事務所
テキスタイルデザイン
株式会社FABRIKO
関連リンク
吹田市文化会館 メイシアター WEBサイト
テキスタイルデザイン:吹田市文化会館 メイシアター 大ホール | 株式会社FABRIKO WEBサイト