ユウケイ武道館

2023.02.14
ドーム・アリーナ・体育館(屋内)

施設説明

剣道・柔道・弓道のために新設された武道館

栃木県宇都宮市にある総合運動公園では、約7年間に渡る総合スポーツゾーンの整備が行われて来ました。旧施設の建て替えも多い中、中央エリアに新設されたのが、2019年11月にオープンしたユウケイ武道館です。柔道剣道兼用6面分の第一道場、4面分の第二道場、遠的と近的の各弓道場を備えています。2022年開催の第77回国民体育大会では、剣道・柔道・弓道の各競技でそれぞれの会場が使用され、武道に特化した環境で充実した試合が繰り広げられました。
コトブキシーティングは、第一道場と弓道場遠的に観客席を納入しました。

内装に合わせた木製のシートは、ベンディング仕様で座り心地も快適

道場スペースをぐるりと囲むのが、観客席1,522席です。車イス席15席も含めて、全席が2階に設置されています。天井や壁、床などふんだんに使われた県産の木材に合わせて、イスには屋内専用木製スタジアムシートのSP-2000シリーズが選ばれました。合成樹脂を含浸し高温でブナの単板を加圧形成した座席のため、成形合板よりも薄くてしなやかな仕上がりが特長。表面硬度も高く、傷つきにくく丈夫です。パッドはありませんが、着席時に背中を預けると背もたれたがベンディングするため、座り心地にも定評があります。
1列あたりの段差は500ミリメートルと、一般的なスタジアムの観客席よりも高いつくりです。この段差が生む勾配により、前列に座った他の観客の頭が気になりにくく、競技に集中できる観客席が出来上がりました。
四隅の座席の配置は、緩やかなアール形状です。弧を描くこの並べ方は、隅に通路を設ける必要がなくなるため、座席数を多く確保することができます。また、端の席からでも道場が正面に見える、観やすさを重視したつくりです。

背筋を伸ばして観戦したくなる長ベンチ

屋外の弓道場遠的は左手に弓を放つ射場が、右手に的場があり、その矢道に沿って観客席が並びます。矢が飛んでいく様を間近で感じることができ、思わず背筋を伸ばして座ってしまう、迫力のある席です。この観客席にふさわしいイスとして、背もたれのないシンプルなベンチタイプが選ばれました。
長ベンチは、1席1席が独立した座席とは異なり、座る間隔を調整したり荷物を置いたりと観客人数に合わせて柔軟に対応できる点が大きなメリットです。一人分間口を一般的な450ミリメートルとした場合は104席分。車イススペースも設置されています。芝生の緑に合わせて、イスのカラーは鮮やかなグリーンが選ばれました。

施設概要

2019年11月、ユウケイ武道館が栃木県総合運動公園の中央エリアにオープンしました。第一道場・第二道場・弓道場近的・弓道場遠的と四種類の競技場を持ち、他にも会議室や師範室などを備えています。内装には県産杉材が活用され、中でも第一道場の大屋根の木組みが印象的なデザインとして注目を浴びています。

居室データ

所在地
321-0152 栃木県宇都宮市西川田4-1-1栃木県総合運動公園 地図
施主
栃木県
設計
AIS・フケタ・田村特定建築設計業務共同企業体
オープン
2019年11月
席数
1,522
関連リンク
栃木県総合運動公園 ユウケイ武道館 Webサイト