高崎芸術劇場
音楽ホール

2022.06.20
劇場・コンサートホール
撮影/篠澤建築写真事務所
撮影/篠澤建築写真事務所

施設説明

群馬県初の本格的音楽専用ホール

2019年9月、高崎駅の東口に、高崎芸術劇場が開館しました。
412席の音楽ホールは、群馬県初の本格的な音楽専用ホールです。ホールの形状は、コンサートやリサイタルに適した、天井の高いシューボックス型。内装から感じられる木の優しい温もりに包まれて、豊かで本格的な音の響きを楽しむことができます。
ホールの左右にはバルコニー席が、後方には親子で使える多目的室が設けられました。

ふんだんに使った木とモヘアの張地がデザインの特徴

客席のイスは、音楽ホールのためにデザインされた特注仕様です。
内装に合わせてふんだんに使った木は、明るく艶のあるナチュラルカラーに塗装。くっきりとした木目は壁面のルーバーと調和し、座席と内装に繋がりを持たせます。
また、背板の上部をすぼめることにより1席1席がしっかりと際立ち、音楽に没入できる空間イメージを創り上げています。すぼまった笠木部分には無垢材を使用し、高級感を演出しました。背板の木目は縦向きですが、笠木部分は横向き。小さなこの違いが、落ち着いたデザインの中でアクセントを効かせています。
木の温かなイメージに寄り添うのは、アンゴラヤギの毛を使用した、クラシカルで上品な印象を与えるベージュの張地です。株式会社FABRIKOのテキスタイルデザイナーが提案しました。滑らかな美しい光沢で魅せながらも高い耐久性を持ち、本格的な音楽ホールにふさわしいと評価を受けています。無地のモケットに型押して創り上げたゆらぎのある縞模様は、大劇場のイスとの親和性も感じさせます。

音楽をゆったりと楽しむためのイス

真っ直ぐに伸びた背板には、ヒトの座り姿勢の背骨のカーブに沿う三次元形状のクッションパッドを取り付けました。厚みのある座は、体圧を分散させる波形スプリングを内蔵しており、背のクッションと共にゆとりある快適な座り心地を提供します。
また、着席者が離席した際、座がゆっくりと元の位置に戻る「座自動緩起立装置」を搭載。振動や衝突音が発生しないため、ホール内の静粛性を保つことができ、また人の脚に座が勢い良く当たることを防ぎます。鑑賞者の心地よさを追求した、優しいデザインです。

施設概要

高崎芸術劇場は、1961年に建設された群馬音楽センターの歴史と精神を継承・進化させ、新しい高崎の都市文化を創造・発信する劇場として、2019年9月に開館しました。JR高崎駅東口に位置し、抜群のアクセスを誇ります。大劇場・スタジオシアター・音楽ホールのほか、9つのスタジオ群が設けられ、「音楽のある街」高崎における多様なジャンルの音楽や舞台芸術を「鑑賞・創造・発信」する場として、大きな期待が寄せられています。

居室データ

所在地
370-0841 群馬県高崎市栄町9-1 地図
オープン
2019年9月
席数
412
施主
高崎市
設計
株式会社佐藤総合計画
テキスタイルデザイン
株式会社FABRIKO
関連リンク
音楽ホール | 高崎芸術劇場 Webサイト