横浜武道館
アリーナ

2022.04.25
スポーツ・エンタテインメント施設ドーム・アリーナ・体育館(屋内)

施設説明

多彩なイベントを開催できる横浜武道館のアリーナ

2020年7月に竣工した横浜武道館は、横浜市で初めての本格的な武道場です。4階建ての1階には本格的な武道場が、2〜4階には多目的に利用できるアリーナが設けられました。
2,622㎡の広さを持つアリーナは、全ての観客席を展開した状態で4面、一部の客席のみ展開もしくは全ての客席を収納した状態では8面の柔道・剣道の試合場が確保でき、さまざまな使い方が出来るよう設計されています。アリーナのフロア面には武道以外の競技にも利用できるスポーツ用のフローリングが貼られ、天井の中央には大型映像装置が設置されました。バスケットボールやバドミントンなど、気軽に楽しめる市民スポーツ利用から大規模なスポーツ大会やイベント利用まで、多彩な目的で人が集まり活動できる空間です。
約3,000席の観客席は、移動観覧席・固定席・スタッキングチェアの3種類のイスで構成されています。

フレキシブルな会場づくりのための移動観覧席とスタッキングチェア

アリーナフロアのある2階には、催しに応じて移動観覧席とスタッキングチェアをレイアウトし、多彩なパターンの観客席をつくりだします。
フロアの長手方向の壁面に格納するよう設計された移動観覧席は、イベント開催時に展開して利用します。今回は二つの異なるタイプの移動観覧席を導入しました。
一つ目は、収納庫の壁面に固定されたタイプです。バスケットボールコートのサイズに合わせた幅32メートルほどの移動観覧席は、六つのブロックに分かれています。専用のハンドルを使って段を引き出し、イスを手で持ち上げて起立させます。手動で起立させる動作は一見大変な力仕事に思えますが、イスの構造部に仕込まれたダンバーにより軽い力で操作することができます。
二つ目は、本体を壁面に固定せずに観覧席全体を動かすことのできるタイプ(全体移動式)です。移動観覧席本体を、リフター台車を用いてフロア面から持ち上げて移動させ、セッティングを行います。競技やイベントに応じて客席レイアウトをさまざまに変えることができるため、フレキシブルな会場づくりに役立ちます。
イスはスポーティーな印象のデザインとクッション性の高い座り心地を兼ね備えたCS−01シリーズを搭載しました。たっぷりとしたウレタンフォームを丈夫でメンテナンスしやすいメッシュの張地で張り包んでおり、長時間の観戦でも快適な着座環境を提供します。肘にはオプションのカップホルダーを備えています、飲食を伴うイベントでも活躍し、イベントの収益化につなげます。
スタッキングチェアは、「観覧用のスタッキングチェア」として開発されたFC-303を採用。イベント内容に合わせて移動観覧席の前に置いたり、選手のベンチにしたりと、多目的に活用できます。身体にフィットする大きなカーブを描いた背が特長で、左右の動きが激しいスポーツの観戦姿勢をしっかりとサポートします。

移動観覧席を取り入れることでフレキシブルに利用できる3階の客席空間

3階の観客席は、固定席と移動観覧席です。
観客席スペースは通常、客席用途以外の利用が出来ないスペースとなりますが、客席の設計を工夫することでより多くの人々が利用できる空間を生み出しました。その工夫が、長手方向の片側に設置した移動観覧席です。
固定席は、床に強固に締結しているため安定性がある反面、移動ができないため、多目的に空間を生かせないという難点があります。そこで、開催するイベントに応じて空間を効果的に利用するために、一部を移動観覧席にすることが決まりました。観覧席を収納すると、幅約53メートル・奥行き約5.5メートルの平土間空間が出現し、卓球などの軽運動の場所として有効に利用ができます。軽運動の場所として有効に利用ができます。
イスは、スリムな形状が特徴のVISIONシリーズ。身体にフィットするよう成形された高密度ポリエチレンブロー成形品で、なめらかな感触です。こちらにウレタンフォーム入りの座パッドを取り付けて座り心地をさらに高めました。観客席の前後の段差は、360ミリメートルと高めに設定されています。勾配が大きいぶん、後方の客席からも競技が見やすくなっています。3階席のイスは肘なしタイプのため、カップホルダーは前の席の背裏に取り付けました。

贅沢にイベントを堪能できるVIPエリア

4階にはVIP用のバルコニー席が設けられました。
入り口を進むと専用のラウンジがあり、観戦の合間に飲食を楽しみながら過ごすことができます。イベント中はもちろん、その前後の時間もゆったりとくつろぐことのできる贅沢な空間です。
ラウンジの先を進むと専用のバルコニー席(VIP席)があります。
アリーナ全体が見わたせるVIP席には、身体全体をすっぽりと包み込むようなイス、VSS−011シリーズを導入しました。背にも座にもたっぷりのウレタンフォームを使いレザーで張り包んだ、極上の座り心地です。両側には先端にカップホルダーのついた幅の広い肘当てを付け、ゆったりと観戦を楽しむことができます。

施設概要

横浜武道館は、横浜市による横浜文化体育館再整備事業の一環として整備されました。横浜文化体育館再整備事業とは、旧横浜文化体育館の敷地及び旧横浜総合高校敷地の2つの土地を活用して、市民の利用に加えて大規模な大会やコンサートなどの興行利用にも対応したメインアリーナ施設及びサブアリーナ施設(横浜武道館)を整備し、横浜の新たなスポーツ振興の拠点を創出する事業です。
旧横浜総合高校の敷地に建てられた横浜武道館は、武道行事以外にも体操競技、卓球、プロレスなどの会場としての利用も想定されており、従来の武道館の枠を超えた活用が期待されています。

居室データ

所在地
231-0028 神奈川県横浜市中区翁町2-9-10 地図
施主
株式会社YOKOHAMA文体(事業受注者)(事業発注者:横浜市)
設計
梓設計・フジタ 設計共同企業体
オープン
2020年7月
席数
3,000
※移動観覧席・固定席・スタッキングチェアの総数
関連リンク
横浜武道館 Webサイト