体育館を仕切るディバイダーの活用で、
天候に左右されずに「学びの場」を確保

2021.08.20
インタビュー
※2023年5月より、ディバイダ―はディバイディングカーテン(愛称:SIKIRUTO)に変更しております。
 ここでは、記事公開時の呼称をそのまま使用しております。

埼玉県飯能市にある駿河台大学は、豊かな自然と最先端の施設が調和する魅力的なキャンパスが特徴です。スポーツを学生の人間的成長のための重要な要素として位置づけており、敷地内には全面人工芝の野球場や多目的グラウンド、全天候型トラックを備えた陸上競技場、日本ホッケー協会の公認施設となるホッケー場、カヌー池など、様々なスポーツに対応する充実した設備を整えています。また屋内施設としては、各種インドアスポーツに使用できる多目的構造の体育館があり、関東学生ハンドボール連盟のリーグ戦会場にもなっています。
そして2020年のスポーツ科学部新設に伴い、体育館に導入されたのがディバイダー(超大型電動昇降式間仕切)です。ディバイダーで体育館を2つに仕切ることで教場を増やし、雨の日も変わらずに授業や部活動でスポーツができる環境を学生に提供しています。
今回はスポーツ科学部講師の鈴木 慶子氏に、ディバイダーの使用状況やその効果についてお話を伺いました。
 

駿河台大学 スポーツ科学部 講師
鈴木 慶子 氏

2020年4月のスポーツ科学部開設に伴う
設備充実の一環としてディバイダーを導入

――ディバイダーを導入された経緯についてお聞かせください。

スポーツ科学部という新しい学部の開設にあたって、教場を増やさなければいけなかったことが一番の理由です。スポーツ科学部では実技の授業の種類がかなり増えるため、そのための教場が必要でした。例えば、雨が降って外が使えない場合に授業をどうするのかとなったとき、ディバイダーがあれば体育館をセパレートして2つの教場を作ることができます。そのほか、運動部の部活動もありますので、とにかく場所が必要でした。
新学部開設のための設備投資として、教員の方で必要なものをリストアップしました。私は体操が専門なので体操の道具や器具を選びましたが、その中から取捨選択された物が購入されました。大きな物としてはこのディバイダーと大型LEDシステムで、現状で優先順位を考えたときに一番必要だったのだと思います。
以前はディバイダーがなかったので、雨の日に急遽教場を増やさなければいけないときや、複数の部活動で使いたいときには、防球ネットを間仕切りとして使っていました。でもアミの目が大きいので小さいボールだと通り抜けてしまうし、視覚的にもお互いに丸見えで、あってもなくても変わらないような状況だったので、私は授業でどうしても分けなければいけないとき以外は使っていませんでした。

――鈴木先生の出身校である日本体育大学・世田谷キャンパスのメインアリーナにもディバイダーを納品させていただいているのですが、ご存じでしたでしょうか?

日本体育大学・世田谷キャンパス メインアリーナ

知っています。私が2年生の時にあの体育館ができたので使っていました。
ですので、私はディバイダーを知っていましたが、最初にこういうものを導入したいと説明されたときに、ピンときている教員はあまりいなかったかもしれません。間仕切りといえば、たぶん普通の緑の防球ネットのイメージしかないと思うので。
今回はおそらく職員の方が見つけて来られたのだと思いますが。


 

 

――はい。職員の方には弊社のショールームや展示会場でディバイダーの実物を見ていただく機会があり、導入をご検討いただくきっかけになったようです。
今、体育館はどのような形で利用されていますか。

体育館は16:30までは授業で、16:30以降は部活動で使用するというパターンです。今はあまり外部への貸し出しはしていないので、授業4時限分と部活動がメインです。実技の授業で使うクラスは、球技ではバレーボール、バスケットボール、私の「体つくり運動」などの体操系の授業、雨の時はホッケーでも使っています。またスポーツ科学部とは別に他の学部も一般体育があるので、それが同時進行で利用するかたちです。 時間割を組む際は、基本的には体育館を使用するのは1つの授業にしています。最初からここで2つの授業を行う設定にはしないようにして、雨の日とか、どうしても使わなければいけない時に2つに分けて使用しています。ですから、梅雨の時期は特に頻繁に使っていますね。 それから、スポーツ科学部では保健体育の教員免許が取れるので、教育実習に行く前に授業で模擬授業を行います。学生のうち一人が先生役で、あとは生徒役になるのですが、全員に先生役をやってもらうとなると複数の教場があった方が良いので、模擬授業ではディバイダーをよく使っています。

ディバイダーの使用は、授業では基本的に教員が管理しています。リモコンは事務所に置いておき、使う際に教員が操作しています。ちなみにこの間、下降までの時間を計ってみたのですが、動作時間は約2分でしたね。

 

音や視界を遮り、学生の集中力を維持することで
授業のクオリティを維持

――ディバイダーを導入して、どのような点が良かったでしょうか。

一番は、教場が完全に2つに分けられることです。
日体大で使っていたディバイダーは上まで全部クリーム色のソリッドで、結構、防音効果もありました。私は日体大のイメージがあったので、正直、最初にメッシュタイプのディバイダーを見たとき、こんなにメッシュの割合が広いと隣の授業の音が聞こえるのではと不安でした。どうせなら全部ソリッドの方が良かったのではとも思ったのですが、使ってみると意外と向こう側の音も気になりませんでした。もちろん、それでも少しは気になる先生もいるとは思いますが、ボールを使わないような授業でしたら全く問題ないと思います。 特にこのディバイダーは青色なので、上はメッシュの方が圧迫感もなくて良かったのかもしれません。下の部分の水色のソリッドも、実際に床に立って見ると結構高くて、視界も完全に遮られていますし、そもそもの厚みもあるので、あまり隣で何をやっているか気にならないですね。 それと、写真を撮って見たときに青のメッシュが意外ときれいでした。青い背景が映えていて、何だか学生たちが楽しそうに見えましたよ(笑)。
 

――視界が遮られることで、学生さんの集中力も変わりますか。

変わると思います。隣で違うことをやっているのが見えると、学生が全然集中できないので。
私は結構、授業で音楽を流しています。隣で授業をやっているときは静かな音にするけれど、それでも音楽が鳴っていると学生がチラっと見たりします。でも、チラッと見たときに何にも見えないというのが実はとても重要なのです。例えば舞台のある側を正面にして、学生は間仕切りに背を向けるかたちで私が話していたとしても、後ろで何かやっているとしたら気になるじゃないですか。でも、振り返ったところで何も見えないのがわかっているので、学生の集中力が途切れることはない。
むしろセパレートして授業をやっているときは、多少は隣の音が聞こえてくるので、学生も先生が何を言っているか注意して聞いている印象がありますね。

――鈴木先生としても、授業はやりやすくなりましたか。

もしディバイダーがなかったとしても授業はやりますが、やりやすさは全然違いますね。「どっち見てるの?今私が話しているんだけど」みたいな余計な注意をする必要はなくなりましたから(笑)。 たぶん今は、学生もあって当たり前みたいな感覚でいると思いますけれど、なかったらすごく不便だと思います。特に今は、コロナ禍で密にならないことが求められるので、梅雨の時期は特にそう思いますね。雨が降ってしまうと、外で実技をやるはずだった学生たちの授業の場所がなくなってしまう。でも1階のトレーニングルームも人がたくさん入れば密になってしまうし、他の教室で授業をする場合は別のメニューを用意しなければいけなくなります。でも体育館が使えれば、先生に許可を取るだけで半分ずつ使うことができますので。

多様なスポーツを体験できる環境を整備し
実践的な学びの場を提供

――そもそもスポーツ科学部を新設したのは、どのような理由からでしょうか。

スポーツ科学部は、元は現代文化学部という学部で、スポーツ文化・スポーツキャリア、国際コミュニケーション、観光ホスピタリティのコースで構成されていました。
特に2009年度に設置されたスポーツ文化コースは、保健体育の教員の養成やスポーツに関連する各種資格の取得に積極的に取り組んでいました。こうした中で、最近は教員免許やスポーツに関連した職業を希望する学生が増え、現代文化学部に在籍する学生の7~8割がスポーツ関連という状況になったため、その需要に応えるかたちでスポーツ科学部が設置されました。

そのほかにも近年運動部が強くなり、スポーツにおける大学の知名度が高くなったことも、スポーツを志す学生が増えた理由かもしれません。ホッケー、ハンドボール、陸上、野球、駅伝など上位リーグで活躍する部も増えていますし、カヌーやユニバーサルホッケーなどマイナーなスポーツも強いです。
 

――スポーツ専門の学部を開設したことで、入学する学生さんも変わりましたか。

やはりスポーツ一本で頑張りたいという学生が増えたと思いますし、スポーツをするための良い環境を求めてくる学生も増えたと思います。
例えば高校までは、砂のグラウンドで陸上をやっていたのが大学に入るとオールウェザートラック(タータン)になる。ウェイトトレーニングをするような設備はなかったけれど、最新機器を備えたトレーニングセンターが利用できる。そんな風に、今までできなかったことが駿河台大学ならできると期待して来る学生も多いと思います。 

ただ、スポーツを熱心にやってきた学生は、大体自分のスポーツしかやってきていないので、必ずしもすべての運動能力が高いというわけではありません。球技をやっている学生が、リズム感がなくてダンスが不得意などということはよくあります。でもスポーツ科学部なら、マイナースポーツも含めて全く違うスポーツを体験できる機会が保証されています。
例えば「ラート」というスポーツをご存じですか? 2本のリングでできた器具で様々な体操を行う競技なのですが、駿河台大学でラートをやっている先生を以前から知っていて、珍しいスポーツもやっている面白い学校だなと思っていました。こうしたマイナースポーツも含めて幅広いスポーツを取り入れていることが、私が駿河台大学に来た一つの理由でもありますね。
 

――スポーツ科学部では「スポーツ科学の『理論』と『実戦』の融合」、そのための「現場で体験する実践的な学び」を特徴として掲げていらっしゃいますね。

その点では、スポーツ科学部は一流の体育大学に比べても引けを取らない授業の種類がありますし、教えられる教員もいます。施設も広大な敷地のキャンパス内にすべて集約されていて、自分のスポーツだけではなく、他のスポーツをやっている人の意見を聞き、別の運動の動きを見る機会もたくさんあります。スポーツに関する視野を広げるという意味では、非常に良い環境にあると思っています。

――ディバイダーの導入が、そうした環境整備の一つとしてお役に立てているのであれば、弊社としても光栄です。本日は貴重なお話をありがとうございました。

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取材日:2021年6月

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