企業の想いが形に。個性がにじみ出る会議室とホールの事例

2026.04.21
事例特集
新年度の慌ただしさも少しずつ落ち着きを見せ始め、新社会人の方々にとっては、いよいよ本格的に業務の現場へと足を踏み出す時期ではないでしょうか。企業における研修の場は多岐にわたりますが、なかでも興味深いのが、企業ごとに趣向を凝らした個性豊かな会議室やホールの存在です。これらは社内会議やイベント、研修の場として活用されるだけでなく、優れた設備と空間を活かして文化活動に供されることもあります。自社での利用にとどまらず、外部への貸出を通じて地域の文化活動を支える拠点として運営されているケースも増えてきました。今回は、そんな企業のこだわりや想いが詰まった、個性あふれる会議室やホールの事例を4件ご紹介します。

01芸術鑑賞からビジネスユースまで、新たな歴史を紡ぐホール

マルタケホール

1964年の竣工以来、新潟駅前のランドマークとして親しまれてきたマルタケビルが、老朽化による全面建替えを経て、2020年にリニューアルオープンしました。その最上階に誕生したのが、上質な音楽ホール「マルタケホール」です。
音響と使い心地にこだわったホール内は、木を基調とした落ち着きのある空間。スタインウェイのピアノと、どの席からも舞台が見やすい101席の劇場イスが並びます。
イスのメモ台は肘枠の中に収納できるため、音楽からビジネスまで多様なシーンへの対応が可能です。また、1席あたりの間口は570mmとゆったりとしたスペースを確保。そこにはオーナーの「利用者の快適さ」への想いが詰め込まれています。
運営を担う一般社団法人田中竹二郎記念会では、地元ゆかりの方への助成制度も設けており、次代の音楽文化を支える拠点となっています。新潟駅から徒歩1分という好立地で、マルタケビルは新たな歴史を紡いでいきます。

02コミュニケーションを通し、新たな発想を生み出す多目的ホール

大塚ヴェガホール(リニューアル)

大塚ヴェガホールは、1988年に大塚製薬の徳島第二工場エリア内に竣工しました。大塚グループの企業理念に基づき、コミュニケーションを通して新たな発想のきっかけをつくることを目指して誕生した施設です。
ホールの内装は曲線で構成されたユニークな円筒形で、研修や会議などの社内利用のほか、地域の文化活動にも開放されています。壁の一部に素焼きの陶板を入れることで音響効果を高めており、コンサートや講演会、さらには同時通訳システムを備えた国際会議やシンポジウムにも対応できる多目的なホールです。
2012年のイスのリニューアルでは、従来の特徴を継承しつつ座り心地を高めました。なかでも全国的に珍しいユニバーサルデザインの両肘メモ台は、右利き・左利きどちらでも使用可能です。また、イス側面にはバイリンガル機ホルダー、背面には書類入れを用意。客席全体はどの席からでも頭が重ならないレイアウトです。

03ゲストを最初におもてなしする、48席のシアター空間

株式会社ダイフク 日に新た館 シアター

物流業界で世界最大手を誇る株式会社ダイフクは、滋賀事業所内に体験型総合展示場「日に新た館」を構えています。1994年の開館以来、世界中から来館者が絶えませんでしたが、コロナ禍の臨時休館を機に大規模リニューアルに踏み切りました。最新のシステムや機器54種を新たに展示し、2022年にリニューアルオープンしました。
ゲストが最初に足を踏み入れる1階シアターもイメージを一新し、最新の音響機器と48席の新しいシートを導入しました。以前のベンチタイプの木製イスは、硬さや隣席から様々な影響を受けやすく集中力を保ちづらいことが課題でした。新しく採用された「LT-310」は1席1席が独立しており、その心配がありません。人間工学に基づいた三次元曲面の背もたれとクッション性の高い座面が、上質な座り心地を実現しています。一人間口は570ミリメートルとゆったりと確保しました。自動的に座が跳ね上がる機構により、離席時の整然とした佇まいと広い通路スペースも両立しています。大型バスの座席数に合わせた48席に加え、壁面に沿うようにベンチを備えています。

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04社員教育の質を高める多目的空間

住友電設川崎テクニカルセンター シアターホール

住友電設川崎テクニカルセンターは、創立70周年の記念事業として、社員教育に特化した同社初の施設として2023年4月にオープンしました。実機研修室や宿泊施設を備える本施設の中でも、重要な場所の一つがシアターホールです。
ホールには、多目的利用を支える電動の移動観覧席が導入されました。リモコン操作により、わずか2分半ほどで階段状の客席が展開し、平土間空間が本格的なホールへと早変わりします。移動観覧席84席を含む計118席は、登壇者が観覧者一人ひとりの表情を見ながら発表できる距離感と段差を確保。研修時のグループワークや会議の際には、客席を収納してスクール形式など自由にレイアウト変更が可能です。イスには研修に役立つメモ台を備え、張地には内装と調和するグレーの高耐久性立体メッシュを採用しました。
建物計画には女性社員チームが参画し、誰もが使いやすいユニバーサルデザインを取り入れたほか、創エネ・省エネも推進。災害時には近隣住民の臨時避難場所になる想定です。

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