北海道江別市に位置する「酪農学園大学附属とわの森三愛高等学校」。広大なキャンパスと、全国レベルの活躍を見せる部活動で知られる同校において、長年「最も使用頻度が高い教室」として親しまれてきたのが視聴覚教室です。10年来の悲願であったというリニューアルプロジェクトの舞台裏について、事務課 課長補佐 中村 丞 氏に詳しくお話を伺いました。

酪農学園大学附属とわの森三愛高等学校
事務課 課長補佐
中村 丞 氏
使い勝手とデザインを両立させたリニューアルの軌跡
――リニューアル前、視聴覚教室はどのように活用されていたのでしょうか?
基本的には授業で使用していますが、それ以外に特徴的なのが部活動での利用です。本校はトップアスリート健康コースを中心に非常に部活動が盛んで、全国大会の常連も少なくありません。そのため、試合前のミーティングや対戦相手の分析、ビデオによる戦術確認などで、サッカー部や野球部、ソフトテニス部といったチーム競技の生徒たちがプロジェクターを囲んで熱心に活用していました。また、学校見学会で来校される保護者の方々の休憩室や、PTAの方々の集まりなど、学外の方を招く場としても使われてきました。校内で最も使い勝手が良く、稼働率の高い教室と言えるでしょう。
――10年前から計画されていたとのことですが、改修に至った経緯を教えてください。
建物自体は1979年に建設されたもので、当時は女子校でした。そのため、机の幅や座席のサイズが女性向けに作られており、共学化して男子生徒が増えた現代では少し窮屈に感じられるようになっていたんです。また、固定式の机とイスは、一度設置すると動かせないため、現代の教育現場で求められるグループワークや自由なレイアウト変更が難しく、「固定式はやめたい」という声が上がっていました。
5〜6年前から毎年予算編成のたびに提案を続けてきましたが、当初は「家具を入れ替えるだけ」という話だったんです。しかし、どうせ着手するなら中途半端にはしたくない。「床も壁も天井も、古いものは全部撤去して一新しよう」と、かなり広範囲な改修へと舵を切りました。
――デザインや内装のイメージはどのように固めていったのですか?

before

after
「ただ綺麗にするだけでなく、以前の雰囲気からガラッと変えたい」という思いがありました。そこで、2年ほど前からプライベートで訪れる様々な建物を観察するようになったんです。特に参考にさせていただいたのが、無印良品とコラボレーションしている店舗のスタイルです。木材を贅沢に使い、落ち着いた色合いで構成された空間に惹かれました。今回のリニューアルで採用した「腰壁」も、その影響を受けています。
限られた予算の中で理想を実現するため、壁は塗装でコストを抑える一方で、床には高品質な長尺シートを採用し、強弱をつけた予算配分を行いました。特に扉については当初塗装の予定でしたが、他店舗などの事例を見てダイノックシートを提案し、結果として大正解でした。塗装特有のベタつき感がなく、高級感のある仕上がりになり、周囲からも「大成功だね」と評価されています。
――今回、家具だけでなく改修工事も含めてコトブキシーティングへ依頼されました。そのメリットはどこにありましたか?
一番は、意思疎通の速さと柔軟性です。通常のゼネコンさん経由だと、どうしても情報の伝達に時間がかかり、直接の要望が届きにくいという「歯がゆさ」がありました。今回はコトブキさんと直接やり取りができたので、こちらの意図がストレートに伝わり、変更へのレスポンスも非常に早かったです。

CG によるパースを作成し、完成イメージの共有をはかった
実は、私自身が20年ほど前に現場監督をしていた経験があり、自分の中で工程をイメージできたことも大きかったかもしれません。電気工事や冷房工事などの順番をパズルのように組み合わせ、それを現場の責任者の方が阿吽の呼吸で実行してくれました。金額の確定よりも現場の進行を優先してくれるなど、短期間の工期の中で柔軟に対応してもらえたことが、期間内完了と高い満足度につながりました。
――製品選びのポイントと、実際に導入された家具の感想を教えてください。

メインの目的は「固定席から移動席への変更」でしたが、製品を選ぶ上で重視したのは「安定感」です。コトブキさんの机は、キャスター付きでありながら設置時にはしっかりと安定する構造になっていて、そこが決め手でした。アジャスターを回せばピタッと止まり、折りたたみもスムーズです。
イスに関しても、サンプルを持ってきていただいたことが大きかったです。実際に座り比べてみると、スタンダードなモデルよりも少し高価なモデルの方が明らかに座り心地が良く、結果として「ここ(視聴覚教室)だけは特別なイスにしよう」と満場一致で決定しました。もしサンプルがなければ、後から「もっとあっちを見ておけばよかった」と後悔していたと思います。
――リニューアル後の反応はいかがですか?
一言で言えば「大成功」です 。生徒たちは新しい教室に入るなり「テンション上がる!」「こんなに変わっちゃうんだ」と大喜びで、校長先生も自ら写真を撮るほど気に入っています。
工事自体も驚くほどスピーディーでした。当初は机とイスの解体撤去に時間がかかるのではないかと不安でしたが、あっという間に終わり、見違えるほど綺麗になりました。この実績を校内の他の先生方も見ているので、「次は廊下の修繕もお願いしようか」といった話もスムーズに進めやすくなりました。
――今後の視聴覚教室の展望についてお聞かせください。
しばらくは従来の使い方が主になりますが、今後は机の配置を自由に変えて、グループワークを積極的に取り入れたり、「口の字」型にして会議室として活用したりと、活用の幅が広がっていくはずです。
こだわりの腰壁に傷がつかないよう大切に使いながら、この新しい空間が、生徒たちの学びや部活動の成果を支える拠点になってくれることを期待しています。
――新しく生まれ変わった視聴覚教室が、生徒たちの日常にさらなる活気をもたらす場となることを願っております。本日はありがとうございました。
取材日:2026年1月