十文字中学・高等学校は、時代を見据え世の中に貢献する女子教育を行っている中高一貫の私立女子校です。
1922(大正11)年建学の同校は、2022年に創立100周年を迎え、その記念事業の一環として、講堂の客席の改修が行われました。コトブキシーティングは、1階席と2階席のイスの入れ替えを行い、合わせて1,085席を納入しています。
講堂のリニューアルからちょうど1年になる、2025年9月20日(土)・21日(日)に「第66回十文字祭(文化祭)」が開催され、訪問する機会に恵まれました。
新しいイスが授業やイベントなどでどのように活用されているのか、イスのメーカーとしては非常に気になるところです。そこで今回は、リニューアル後の講堂で行われたステージを中心に、十文字祭1日目の様子をレポートします。
学校の新たな未来をつくり出す十文字祭
今年の十文字祭のテーマは、「十文字万博 #未来へ届け!青春の瞬間(とき)」。
生徒一人ひとりが力を出し合い、自由な発想力で学校の新たな未来をつくり出そうという熱い想いが込められています。
人気アーティストのコンサートチケットのような凝ったデザインのチケットを握りしめて校門へ。
そこには我が子の姿を一目見ようと多くの保護者が列をなしており、熱気に満ちていました。一方の校内全体はまだ静寂の中。
生徒たちの晴れ舞台を見るため、まずは講堂へと向かいます。これから始まる特別な催しへ期待はいやがうえにも高まります。

チケットの裏面には、デジタルパンフレットを閲覧できるQRコードが!
リニューアルされた講堂に響きわたる、青春の歌声
十文字祭1日目の午前、講堂ではメインイベントである中学生の合唱コンクールが開催されました。
1階席は中学全生徒、2階席は保護者が客席を占め、講堂の厳かな雰囲気のなかで、まもなく始まるステージへの期待は一層高まります。観客が見守るなか、出演する生徒たちは、これまでの練習の成果を発揮しようと、ビシッとした面持ちでステージへと向かいます。その一歩一歩に、コンクールに臨む真剣な想いが感じられました。
全員がステージに並ぶと、講堂全体に特別な緊張感が張り詰めます。いよいよ全3学年15クラスによる合唱が始まります。
2階席後方でもステージへの視界はバッチリです。
演奏の前に、生徒はこれまでの練習の想いを言葉にして客席に語りかけます。特に3年生による「3年間の集大成」という言葉が印象的で、忙しいなかでもクラスでの練習時間を大切にしてきた気概が伝わります。
中高生のころに歌っていた曲目が中心だったため、思わず一緒に口ずさむことも。合唱はクラスごとに個性があり、生徒が主体となって音楽の楽しさをそれぞれの形で表現しようという意図が伝わってきました。
洗練された新たなイスでグレードアップした客席
客席に並ぶのは、機能性と快適性を兼ね備えたシンプルなデザインが人気の劇場・ホールイス「Orchidシリーズ」です。同校のシンボルである講堂にふさわしい本格仕様は、生徒たちの気持ちを高揚させ、ステージに立つ喜びを一層深めます。横方向にカーブを描く背パッドが背中や腰をゆったりと包み込むようにホールドし、快適な座り心地です。
張地の赤は、学内で検討を重ねた末に選ばれた色で、内装とマッチし、講堂全体に華やかで明るい雰囲気を演出しています。
実は、改修前のイスもコトブキシーティングの製品でしたが、起立する際に大きな音がするという課題がありました。これは、空席時に座面が背にピタリと添うコンパクトな設計のため、ビニールレザーの張地がこすれることが原因でした。そこで今回の改修では張地を布地に変更し、音の問題はすっかり解決しています。
保護者席では学年ごとに入れ替え制が取られましたが、離着席は静かにスムーズに行われ、合唱コンクールなどの発表にふさわしい会場になっていると感じました。合唱コンクール終了後は、生徒が退場する保護者に笑顔で手を振る場面も見られ、心温まる交流の瞬間でした。
音響反射板とステージを備えた本格的な環境。県立高校の合唱部にいた身としては、憧れの設備が揃っています。
催し物に合わせて変化! 空間活用を自由にする移動席
講堂の1階席前方3列分と前方のサイド席には、背倒れ移動席が並びます。背を倒してコンパクトにし、キャスターで移動できるため、使用しないときは舞台下に収納することができます。
普段は、サイド席を外して入試説明会での相談・案内用のブースとして利用したり、移動席をすべて収納して吹奏楽部の演奏スペースを確保したりと、多様に活用されているようです。
今回の十文字祭では、移動席はすべて設置され、ステージと客席の距離が近くなることで一体感が生まれました。催しに応じて客席を柔軟にアレンジできる移動席は、講堂の空間利用の幅をさらに広げることを改めて感じました。
合唱コンクールが幕を閉じると、校内の雰囲気は一変。エントランスから廊下、教室に至るまで、カフェやお化け屋敷、授業の展示などバラエティ豊かな出し物がひしめき合い、大勢の生徒や来場者でにぎわうお祭りの熱気に包まれます。この活気あふれる校舎を眺めていると、ふと自分の学生時代を思い出し、懐かしい気持ちが込み上げてきます。
生徒たちが工夫を凝らした個性豊かな装飾の数々からは、一生懸命に準備を進めてきた熱意がひしひしと伝わり、さあ、次はどこへ行こうかという胸の高まりで、自然と足は早まります。
毎年恒例「シンデレラ階段」の装飾は生徒自らデザイン
躍動と熱狂のステージ! 午後の部で輝く生徒の才能
午後は、軽音楽部や中学校演劇部、舞踊部などによる公演で華やかにスタート。
軽音楽部の公演が幕を開けると、会場は一気にボルテージが上がります。来場者に配られた色鮮やかなサイリウムライトが星空のように会場を彩り、2階席からの歓声も相まって、会場全体が一体となったライブの熱狂が肌で感じられました。何より素晴らしかったのは、ボーカルの歌声です。透明感と力強さを兼ね備えた歌声が心地よく響きわたり、観客を魅了。思わず聞き入ってしまうほど心に染み入り、その場でファンになってしまいました。
続く中学校演劇部の公演では、脚本から生徒自身がつくり上げたことに驚かされました。役柄を深く理解した堂々たる迫真の演技は観客を引き込みます。練習の成果と役への真摯な想いが伝わり、深く心に響くものがありました。終演の幕が下りると、会場は一瞬の静寂の後、割れんばかりの拍手と歓声に包まれました。

軽音楽部の様子

張地や木部のカラーともマッチした美しい緞帳
舞踊部(ダンス部)は、見やすい席がチケット制になっていました!
こうして文化祭1日目は大盛況のうちに無事終了しました。2日目も生徒の皆さんの青春の1ページが華やかに飾られることを確信し、名残惜しさを感じながら学校を後にしました。
納品後も、コトブキシーティングの製品が施設の理想とする活動に貢献しているかという目線でサポートを継続していくことは、空間づくりのパートナーとして私たちが果たすべき責任です。
今回、十文字祭で実際の活用シーンを目の当たりにし、講堂が生徒・教員の皆さん、さらに地域の方々にとって、交流と学びを共有する重要な場になっていることを大変光栄に感じました。特に、生徒の皆さんが講堂のステージに立つ機会を心から大切にされていることを実感できたことは、メーカーとしてとても幸せな時間でした。
今まで何十年と愛用いただいたコトブキシーティングのイスが、この度の改修で新たな装いとなり、これからも長きにわたって「好きなこと・やりたいこと」にひたむきな生徒の皆さんの学生生活を支えていければ、これほど嬉しいことはありません。
十文字中学・高等学校の皆様、感動的な青春の瞬間を共有いただき、誠にありがとうございました!
取材日:2025年9月
取材:営業担当Y.O(入社4年目)