関西最大級規模の多目的アリーナ、コの字型の客席に多彩なシートが整列
2025年4月、阪神淡路大震災より30年の節目に、神戸の新たなランドマークプロジェクトとして「GLION ARENA KOBE」が誕生しました。プロスポーツの試合から、音楽ライブコンサート、展示会や会議まで対応できる多目的アリーナです。
約1万席の観客席は、アリーナをコの字型に囲んで座席が並んでいます。1階のアリーナ席にはスタッキングチェアと展開・収納が可能な移動観覧席が導入されており、2・3階と5~7階は固定のイスが並ぶスタンド席、4階はVIPフロアです。どの席からでも見やすく、アリーナの迫力をダイレクトに感じられるよう、臨場感にこだわって設計されました。色は全席ブラック、空間全体を引き締めながらイベントに集中できる客席をつくり上げています。
移動観覧席とスタッキングチェアで、催しに応じた空間づくりを可能に
移動観覧席は、展開・収納が可能な階段状の客席です。専用ハンドルを用いてイスを倒し、リモートスイッチを使って本体を壁面に収納するセミオートタイプで、北南西に1台ずつ計3台導入されました。北側と南側にはそれぞれ418席、西側には330席の計1,166席です。イベントの演出に合わせて1台だけ展開する、ステージやスタンディング席の設営のためすべての移動観覧席を収納するなど、催しに応じてレイアウトできます。
搭載したイスは、着席時の快適性と、離席時の収納性が特徴である「
VISION」です。背パッドと座カバーを付けることによって、アリーナに近い席に相応しい、柔らかでゆとりある座り心地をつくり上げました。離席すると座が自動で跳ね上がり、奥行がコンパクトになるため、座席前の通路をスムーズに通り抜けることができます。隣席との仕切りの役割を果たす肘掛には、カップホルダーも備えました。
移動観覧席の前には、スタッキングチェア「
Score」を並べることができます。アルミステージに並べて、アリーナに最も近い位置へ雛壇状の席を設営可能。シンプルな見た目ながらも、腰部まである長い背もたれが、長時間の着席による疲労感を最大限に軽減します。背・座のカバーとカップホルダー付の肘掛は取り外しもでき、「スペックシート」と呼ばれる
コートサイドチェア SC-700シリーズと並んでも見劣りしません。ライブなど音楽イベントの開催時には、アリーナエリアにScoreを並べ、客席として利用されます。
チケット価格にふさわしい快適性を提供するため取り揃えた座席のラインナップ
2階以上の客席も、座席ラインナップが豊富です。
2・3階のメインコンコースは、移動観覧席の最後列から縦通路がひと続きに繋がっています。アリーナシートと共に客席の一体感を高められるよう、移動観覧席搭載イスのVISIONを床固定して設置しました。背座にパッドが備わっており、カップホルダーは背もたれ裏にあります。アリーナのパフォーマンスが見やすいよう、1席ずつやや斜めになった雁行配置も取り入れました。4,313席のうち、北側の52席だけは、イスフレームと脚フレームに分かれた
マトリックスシステムを導入して、少ない作業時間と負担でイスの取り外しを可能にしました。見た目や並び方は他のVISIONと変わりあませんが、記者席・カメラ席が必要な時に、座席を撤去できます。
4階のスイートコンコースには、シネマコンプレックスの座席として実績のある豊かなクッションのシートが北側と南側に、アリーナシートとして新開発された「Largo」が西側に並びます。Largoは、スポーティーな見た目を裏切る、ボリュームある座り心地が特徴です。着席者の背中に沿ってカーブする背もたれと、背座に備えたモールドウレタンのクッションで、他の席にはない特別な座り心地を生み出します。
5階以上の席は、全てVISIONです。移動観覧席やメインコンコースの座席と異なり、背もたれにはパッドがありませんが、ブロー成形した高密度ポリエチレンは肌当たりが柔らかで、冷暖房や気温による温度変化も少ないため、快適に身体を預けることができます。
施設概要
GLION ARENA KOBEは、2025年4月に神戸市中央区・ニューシーポートエリアに誕生した、海に270度囲まれた日本初のウォーターフロント・アリーナです。最大約1万人を収容でき、B.LEAGUE「神⼾ストークス」のホームアリーナとして稼働するほか、プロスポーツや音楽コンサートなどのエンタメイベント、MICEをはじめとしたビジネスイベントや地域活性化イベントなどの開催が予定されています。視認性に優れた馬蹄型座席配置をはじめ、高精細LEDビジョン、360度のセンターハングビジョン、充実した音響設備など、様々な演出や催しに対応できる最新の設備や機器を備えました。アリーナと一体運営が可能な広場「TOTTEI PARK」も併設されており、地域の新たなランドマークとして期待が寄せられています。また災害時には帰宅困難者の一時避難施設の役割も果たせるよう、神戸市危機管理局より認定も受けました。