学生の制作活動を支える、新キャンパスの共通工房
2023年10月、金沢美術工芸大学の新キャンパスがオープンしました。
新キャンパスには、中庭に位置する「創作の庭」をはじめ、学生が制作に集中するための環境が整っています。
そのひとつが4号館と6号館に設置された、専攻の枠を超えた創造と交流の場である「共通工房」です。
共通工房は、「絵画エリア」「彫刻・デザインエリア」「工芸エリア」「メディアエリア」に分かれており、67のスタジオを有しています。
6号館に位置する「メディアエリア」は、コンピュータールーム、出力センター、フィルムラボのほか、用途に応じた複数のスタジオをもち、デジタルコンテンツ制作をはじめとする専門性の高い作業を行うことができます。現代の表現にふさわしい制作を支えるエリアの重要な居室として設けられたのが、大型スクリーンと46席のイスが設置されたシアターです。映像文化を学ぶ講義、演習、試写などを行う際に活用されます。
鮮やかなイエローが映える、機能的で個性溢れるシアターのイス
階段状のシアターに並ぶイスとして選ばれたのは、コトブキシーティングの
LT-330シリーズです。
スリムな座と、くの字を描いた背板が印象的な軽快なデザインのイスです。
LT-330シリーズの大きな特長は、座が身体の動作に追従して動く「スイングアップ機構」を搭載していることです。起立している座の上部に軽く体重を掛けるだけで、座が身体に沿ってスライド。教材や荷物で手が塞がったままでも着席が可能です。
使用していない時は座がコンパクトに収納されるため、通路幅を広くとることができます。
クッション性のあるウレタンを包んだ背座のパッドにより、座り心地も快適。各席が独立した一本脚を採用しているため、隣席の振動を感じることもありません。肘掛けも備えており、一人分間口560mmの余裕のあるスペースと相まって、安定した姿勢で座ることができます。
肘掛けの内側にもパッドを備えています。デザイン的にもアクセントとなり、着席時に腕や身体が当たった際の感触も柔らかです。
張地はブラックで統一された内装の中で映える、鮮やかなイエローを採用。明るい木の色と組み合わさり、個性的な空間を創り上げています。
施設概要
金沢美術工芸大学は、1946年、工芸美術の継承発展と地域の文化と産業の振興を目指して開学しました。旧キャンパスは、約半世紀に渡って学生たちの学び舎として賑わってきましたが、老朽化のほか、増改築による機能の分散、学生が集う共有スペースの不足や作品の収納スペースの不足など、多くの課題を抱えていました。
2023年10月には、地域に開かれた大学を目指し、新キャンパスを移転オープン。大学の活動を広く発信する場となる「アートプロムナード」や「アートコモンズ」、学生が制作に集中するための「創作の庭」などが設けられました。開かれたキャンパスを体現するような、明るく開放的なガラス張りの校舎が立ち並んでいます。