新キャンパスの体育館は、式典や集会も開催できる多目的ホール
2023年10月に移転した金沢美術工芸大学の新キャンパスには、各種スポーツ利用はもちろん、多目的ホールとしても活用可能な体育館があります。必要に応じて電動で収納できる座席とステージを備えているため、式典や集会、展示など、様々なイベントを行えます。アリーナフロアはキャンパスのメインストリートにあたる「アートプロムナード」から一続きになっており、内外にまたがった利用も可能です。アリーナを見下ろせる2階スペースもあり、スポーツやイベントを広く見守ることができます。
移動観覧席とスタッキングチェアを組み合わせて、幅広い用途に応じた客席づくりを
客席として導入されたのは、コトブキシーティングの移動観覧席とスタッキングチェアです。
移動観覧席は、展開・収納が可能な階段状の客席です。リモートスイッチを押すとイスが折り畳まれ各段が重なり、体育館後方にある収納庫内に壁面とぴったり揃って収まります。収まった壁面から客席を展開したい時も、スイッチ一つで操作が可能です。移動観覧席本体を前方に動かせる光学誘導前方移動式のため、収納庫のある壁面から離して客席を展開することもできます。よりステージに近い位置に客席を創り上げることで、フレキシブルな客席づくりが可能です。
アリーナ全面を使うイベント時には、移動観覧席を後方壁面から展開し、その前にスタッキングチェアを並べることで、最大504席に。半面だけの時には本体をステージ寄りに移動して展開することで236席にと、自由度の高い客席づくりが多様な催しに対応します。移動させた本体は、空間を分割する間仕切り代わりにもなるため、移動観覧席を挟んだそれぞれのスペースで異なるイベントを開催することもできます。
ブラックとグレーで個性的に仕上げた搭載イスと、座パッド付のスタッキングチェア
移動観覧席に搭載したイスは、
タイプSです。ウレタンクッションの詰まったシンプルなデザインの背と座を、通気性が良く高い耐久性のあるメッシュのテキスタイルで張り包みました。背はブラック・座はグレーとツートンカラーを採用し、スタイリッシュに仕上げています。空席時は座が背もたれにぴったりと寄り添うように垂直に収納されるため、快適性と広い通路スペースを両立します。
スタッキングチェアは、
FC-303Dです。上体を抱き込むようにカーブした背もたれがしっかりと着席者を支え、臀部にフィットする座には移動観覧席と同じく高耐久性立体メッシュのパッドを備えて座り心地を向上させました。設営や片付けの際に安定した持ち運びができるよう、背もたれの下部には手掛け穴もあります。安定性のあるループ脚にはギャンギング機構があるため、直線状に並べやすい仕様です。積載数80脚の専用台車で倉庫へスムーズに運び、省スペースな保管ができます。
施設概要
金沢美術工芸大学は1946年の開学以来、工芸美術の継承・発展と地域の文化産業の振興を目指す学生たちが学びに励んで来ました。2023年10月、校舎の老朽化や増改築による機能の分散、学生が集う共有スペースや作品収納スペースの不足などの多くの課題を抱えていた旧キャンパスから、新キャンパスへと移転。大学の活動を広く発信する場となる「アートプロムナード」や「アートコモンズ」、学生が制作に集中するための「創作の庭」などが設けられました。スポーツイベントから式典まで幅広い催しに対応する多目的ホール形式の体育館や、映像文化を学ぶ講義、演習、試写などで活用されるシアターもあります。地域に開かれたキャンパスを体現するような、明るく開放的なガラス張りの校舎が立ち並んでいます。