斬新なアイデアを盛り込んだ座席に注目が集まる球場
1926年に竣工した明治神宮野球場はこれまでにも何度かリニューアル工事を重ねてきましたが、施設の老朽化により、現在秩父宮ラグビー場がある場所に新球場が整備されることになりました。今回のリニューアルではスタンド席、企画席を刷新。より快適かつ多様な観戦環境を提供するため、ストレスフリーで試合を楽しめる快適性と利便性を兼ね備えた座席やグループシートを導入しています。また、世界で初めて海洋プラスチックを使用したベンチシートを採り入れるなど、SDGsの意識を盛り込んだ球場として注目を集めています。
グループの多様な観戦環境を提供
リニューアルでは、新しい座席やエリアの導入も大きなポイントになっています。
明治神宮野球場にはもともと多くのグループ席が設けられていましたが、コトブキシーティングの技術力を活かした座り心地の良い、明治神宮野球場オリジナルのグループ席を設置することで、これまでにない観戦環境を実現しました。
内野席に設置されたプレミアムシートは2~5名のグループ観戦に適したグループシートで、おしゃれなウッドデッキ調のデザインと、カップホルダー付きのテーブルを設置しているところが特徴です。
また、明治神宮野球場の従来の座席幅が約430mmであったのに対し、プレミアムシートは約70~170mmも広い500~600mmの座席となっています。
ゆとりのあるシートは長時間座っていてもストレスフリーの快適な空間で、試合観戦を楽しむことが可能です。
同じく内野席には快適性と収納性を両立したサイドテーブルシートを設置。
席ごとに荷物や飲食物を置けるサイドテーブルを設置しているほか、サイドテーブルの下にも荷物を収納できるスペースを完備しています。
座席は高密度ポリエチレンのブロー成形で、内部が中空構造になっているため、強度や耐衝撃性が高く、打球が当たっても割れにくいところが特徴です。
さらに耐熱性や耐水性にも優れていることから、直射日光やドリンク類による汚れにも強く、スタジアムに最適なイスとして評価されています。
座面と背もたれにクッション性のあるパッドを使用し、快適性もより向上しました。
他にも、高級ソファと同じ座り心地のクッションシートと球場グルメを満喫できる広々としたテーブルを採用したスカイテラスシート、堀こたつ式のクッションシートとローソファで足を伸ばしながら観戦できるファミリーシート、全席テーブル付きで前後に十分なスペースを確保したデッキシートなど、さまざまなニーズに応えられる高機能シートを設置。観戦スタイルや人数に合わせた最適なシートを選択できます。
世界で初めて海洋プラスチックを使用したベンチシートを採用
外野スタンドには、海岸に打ち上げられた海洋プラスチックを一部使用したハイチェアーシートが設置されています。海洋プラスチックは毎年約800万トンが新たに流出されていると言われており、深刻な環境問題の一つです。
ハイチェアーシートではそんな海洋プラスチックをリサイクルすることで、世界共通の目標であるSDGsに取り組んだ世界初のユニークな実例として全国の野球場から注目を集めています。
施設概要
明治神宮野球場は大正15年10月に完成した野球場で、これまでプロ野球を始め、東京六大学野球や高校野球の舞台になった歴史があります。
野球の試合がない日は、企業イベントなどに用いられるほか、映画やテレビドラマ、CM、雑誌の撮影にも利用できるなど、幅広い用途に活用されています。
近年、平成20年に人工芝張替などのリニューアル工事が竣工し、平成26年、27年にも正面外装のリニューアルや耐震補強工事を行いましたが、老朽化に伴い、神宮外苑地区まちづくりの一環として新たな神宮球場に生まれ変わります。
【関連ページ】コトブキシーティングの環境への取り組み