中央区立晴海西小学校・晴海西中学校
体育館

2024.10.09
学校体育館・アリーナ

施設説明

オリンピックの選手村跡地に誕生した、新しい小・中学校

2024年4月。東京湾に面した「晴海フラッグ」内に、中央区立晴海西小学校・晴海西中学校が開校しました。
晴海フラッグは、東京2020オリンピック・パラリンピック大会の選手村跡地を住戸として整備した再開発都市です。開発に伴う人口の増加に対応するため、晴海五丁目に新たな小学校と中学校が設立されました。小学校は約800名の児童が、中学校は200人余りの生徒が在籍しています(2024年4月現在)。
地上5階・地下1階建ての校舎は「児童同士の交流や、さまざまな体験をすることで情緒や社会性を育む」ことをコンセプトに設計されており、校内には自然光を取り入れた明るく開放的な空間が広がっています。
小学校と中学校は、建物のなかでエリアを分けていますが、校庭やプール、図書館など、小学生と中学生が共有で利用するスペースも複数設置されました。校舎の2~4階に位置する体育館もそのひとつです。

子どもたちの安全を確保するため、体育館に「SIKIRUTO」を導入

体育館では小学生と中学生が同時に授業を行うことが想定されたため、「安全性」と「使いやすさ」に配慮できる工夫が必要でした。
体格の異なる児童がひとつの空間で活動する場合、空間を仕切ることが安全性の確保につながります。そこで導入されたのが、広い空間を簡単に分割できる大型電動間仕切「SIKIRUTO(シキルト)」です。
従来のスライディングウォールは、壁面に収納庫が必要になることや、体育館の天井高に対応しにくいなどの問題点がありました。
SIKIRUTOは、普段は建物の天井に折りたたまれて収納されるため、収納庫が要りません。
こちらの体育館は、小学校と中学校それぞれに必要な天井の高さを確保した設計となっているため、天井の高さが異なる特徴的なつくりになっています。この天井の織り上げ部分にSIKIRUTOを設置することで、視覚的な圧迫感や違和感などの問題を解消しました。
SIKIRUTOの昇降は、ワンタッチのボタン操作のみ。すべての動作が電動式で、すばやく手軽に収納や展開を行えます。防球ネットと異なり空間を面で仕切るため、児童同士がぶつかるなどの事故を防ぎます。また、下部をシート素材にすることで視線を遮るため、集中力の向上も期待できるようになりました。

安全で健やかに学校生活を送れるよう、さまざまな工夫や意匠が凝らされた新校舎。児童と生徒の成長を育む学び舎に、今日も子どもたちの明るい声が響いています。

施設概要

中央区立晴海西小学校・晴海西中学校は、東京2020オリンピック・パラリンピック大会の選手村跡地に誕生した新しい学校です。晴海西小学校の児童数は、約800人。1年生は8クラスに約250名が在籍する、区内で最大規模の小学校です。
街の景観に調和するようデザインされた校舎は、全館LED照明となっており、太陽光発電や雨水再利用設備が導入されるなど環境に配慮した設計です。外観だけでなく、校内にも児童の健やかな成長を支える意匠が凝らされています。子どもたちが四季を感じ、自然と触れ合うことができるよう、花壇やビオトープも随所に設置されました。
2024年の7月からは一般のスポーツ開放も予定されており、地域との交流を支える公共施設としての役割が期待されています。

居室データ

所在地
104-0053 東京都中央区晴海5丁目3-5 地図
施主
中央区
設計
株式会社 石本建築事務所
開校
2024年4月
台数
1
関連リンク
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