山口大学医学部附属病院 新病棟(A棟)
オーディトリアム

2023.04.25
多目的ホール(可動席)

施設説明

山口大学医学部附属病院の新病棟(A棟)に、緊急時も活用できるオーディトリアムが誕生

2019年6月、山口大学医学部附属病院の主要機能を集約した新病棟(A棟)が開院しました。
1階のオーディトリアムは、通常時にはふれあいコンサートや学会・セミナーなどを開催する場所として、緊急時には約200平方メートルの災害用臨時治療スペースとして使用できる、多目的活用可能な空間を目指してつくられました。室内とロビーの計7箇所に非常用電源と医療ガスアウトレットを設置した、防災機能強化に大きく力を入れた設計が特徴です。通常時と緊急時、性質が全く異なるどちらの目的にも対応できる机・イスとして選ばれたのが、コトブキシーティングの移動観覧席、スタッキングチェア、フォールディングテーブルでした。

客席の展開・収納をフルオートで行える移動観覧席

移動観覧席は、階段状に展開・収納が可能な、可動式の客席です。リモートスイッチ一つで操作ができるフルオートタイプが採用されました。展開スイッチを押せば、7列154席の客席に。収納スイッチを押せば、イスが自動で折りたたまれ7列が重なり、移動観覧席本体がオーディトリアム後部の壁面に固定されます。
移動観覧席に搭載されたイスは、厚みあるクッションが特長のタイプLです。着席者の身体のラインに沿う三次元形状の背もたれと、ウレタンのしっかり詰まったボリューム豊かな座面が、快適な座り心地を提供します。一人分間口も、一般的なホールのイスよりも広く取った540ミリメートルと、ゆったり座れる設計です。
全てのイスには、学会やセミナーなどメモを取ったりパソコンを使ったりする催しのために、A3サイズに対応した収納式の前テーブルを設けました。イスの背もたれの収納ボックス内にあるテーブルを、必要に応じて引き出して使います。静音設計のため、イベント進行中でもテーブルの出し入れをスムーズに行うことができます。また、テーブルはゆっくりとボックス内に納まるため、指挟みなどの事故も予防します。収納ボックスの形状はシンプルで、テーブルが不要なイベント時でも客席の景観を損ねません。
イスの張地は温かみのあるグレー、前テーブルは清潔さを印象づけるホワイト。病院のオーディトリアムにふさわしい、落ち着きある配色です。

スタッキングチェアとフォールディングテーブルで、更なる空間の多目的活用を実現

移動観覧席の前に設置したり、移動観覧席の収納時に様々なレイアウトで使用したり、スタッキングチェアTS-1212フォールディングテーブルSD-613FF2は空間活用の自由度を高めます。
TS-1212は、移動観覧席に搭載のタイプLと意匠を揃えたスタッキングチェア。タイプLと同じ背裏と肘に天然木を配した高級感のあるデザインと、厚みのあるクッションがもたらすゆとりある座り心地が特長です。張地の色は、移動観覧席と揃えました。
SD-613FF2は、天板の下にある手元のレバーを握ると脚の中に収納されていたキャスターが姿を現す、「リフトアップ機構」を備えたテーブルです。設置時はキャスターが露出していないため、いつの間にかロックが外れて筆記中にテーブルが動いてしまう・キャスターに躓いて転ぶなどの、可動式机によくあるトラブルを防ぎます。キャスターを出現させるレバーを握っている間も、テーブルを折りたたむ必要はないため、机上にパソコンや資料を置いたままスムーズにレイアウト変更が可能です。
イスや机が不要な時には、収納庫に片づけます。TS-1212はステージ下に設けられた床下収納台車と、1台につき6脚積載できる移動専用台車を利用して収納。SD-613FF2は天板をフラップさせ平行ネスティング。それぞれ最小限のスペースでコンパクトに収納が可能です。

施設概要

山口大学医学部附属病院の新病棟(A棟)は、全国の国立大学附属病院の中でも初となる2回目の再開発整備事業を経て、2019年6月に開院しました。山口県の中核医療機関として、国立大学附属病院の「トップランナー」として、最新の医療設備や機器を揃えており、ヘリポートやICUなどを含めた救急医療体制も整えています。また、心地良い空間づくりの取り組みとして、院内には多くのホスピタルアートが取り入れられました。

居室データ

所在地
755-8505 山口県宇部市南小串1-1-1 地図
施主
国立大学法人山口大学
設計
山口大学施設環境部、株式会社佐藤総合計画
オープン
2019年6月
席数
262
(移動観覧席、スタッキングチェア、フォールディングテーブル設置時)