関西大学 千里山キャンパス 東体育館
アリーナ

2019.04.16
学校体育館・アリーナ

施設説明

豊かなキャンパスで新たな歴史を刻む関西大学東体育館は、「する」「観る」を両立した大学アリーナ

関西大学は、3万人以上もの学生が通う関西屈指の総合大学です。六つあるキャンパスの中でも最大規模の千里山キャンパスは、35万平米もの広大な敷地面積を持ち、緑豊かな環境として知られています。正門から続くメイン通りを進んだ先に並ぶのは、グラウンドや体育館、弓道場やソフトテニスコートなど、さまざまな競技に対応する充実したスポーツ施設。2018年3月、その一角に佇む東体育館が老朽化を背景に建て替わりました。

旧体育館では、試合などのイベントの際に観客がより近い場所で観戦できるよう、スタッキングチェアを使った仮設の観客席をコートの近くに設けていました。観客席の設置は、観客にとってより試合を楽しみやすいだけでなく、選手にも良い影響をもたらします。「観られる」ことを意識することによって刺激を受け、チーム全体のレベルアップにもつながるのです。
そこで東体育館の建て替えでは、観客にとっても選手にとっても魅力ある観覧席づくりを検討し、階段状の観客席を自由に展開・収納できる、移動観覧席の導入を決定しました。この移動観覧席コートサイドチェアを1階のアリーナ面に、常設のスタジアムシートBLMシリーズを2階席に設け、大学の専用体育館としては先進的な「する」「観る」を両立したアリーナを創り上げたのです。試合だけでなく、移動観覧席とコートサイドチェアを使い分け、各種式典や対抗試合などさまざまな場面での利用が見込まれています。

自由に設営位置を設定できる全体移動式の移動観覧席

移動観覧席は1ブロックの幅が約5.8メートル、1段につき10席が搭載された、4段構成の40席です。コートサイドチェアと合わせて1コートサイドに1列に並べたり、サイドに分けて設営したりするケースを想定し、計4ブロックの導入が決まりました。通常はアリーナ横の倉庫に収納しており、設置する時に専用のリフター台車を本体下に差し込みジャッキアップして移動させる、全体移動式タイプです。

全体移動式の移動観覧席は、操作に大人数を要するケースもありますが、東体育館の移動観覧席はコンパクトサイズのため、3~4名で操作できます。周囲に気を配りながら移動観覧席を所定の位置まで運び、リフター台車を抜いて段を引き出し、サイドカーテンとステップを設置すれば、設営完了です。

席は、背もたれのないシンプルなベンチタイプ。隣同士の間隔を詰めたり開けたりと融通が利き、1席あたりの幅が分かりやすいように目地を設けているため、一人一人のスペースも均等に保つことができます。4段目の高さは、フロアレベルから約1.2メートル。前列に座った人の頭部で視界が遮られることなくコートを見渡せ、応援にも熱が入ります。選手からも観客の顔が良く見えるため、試合へのモチベーションアップが期待できます。

体育会共通のチームネーム「カイザーズ(Kaisers)」を入れたコートサイドチェア

コートサイドチェアは、プロの試合でも使われる、分厚いクッションを搭載した折りたたみ式のイスです。ホームゲームのチーム選手のベンチとして、また、最もコートに近い観客席として利用します。豊かなウレタンクッションを包むビニールレザーの色は、関西大学のスクールカラー(紫紺)に近いブルーを採用。試合時のみならず大学の式典で利用することも想定し、背には校章を、座にはチームネーム「カイザーズ(Kaisers)」をプリントしました。

関西大学体育会では、体育会全体に共通のチームネームを付けるという全国的にも珍しい取り組みを行っているため、カイザーズ(Kaisers)とプリントされたイスは、バスケットボールやバレーボールをはじめとした様々な屋内競技の試合で利用することができます。「強い関西大学」を目指し、体育会全員が一致団結して活動を行なうことを目的とした手法です。

オープニングイベントでは、関西大学バスケットボール部とプロバスケットボールB.LEAGUE・大阪エヴェッサとのエキシビションマッチが行われ、1,100人もの観客が声援を送りました。数々のオリンピック選手や有名スポーツ選手を輩出している関西大学。この東体育館を利用する学生から、明日のスポーツ界を担う選手が生まれる日も近いかもしれません。

居室データ

所在地
564-8680 大阪府吹田市山手町3-3-35 地図
施主
学校法人関西大学
設計
株式会社 東畑建築事務所
竣工
2018年3月
席数
550
※移動観覧席・2階観覧席・コートサイドチェアの総数
関連リンク
  • 関西大学 webサイト