与那原町役場
議場

2022.11.30
議場

施設説明

「町民に開かれた議会」を目指してつくられた議場

2021年5月6日、与那原町役場が開庁しました。誰もが利用しやすいユニバーサルデザインを考慮した新庁舎は、防災拠点機能も兼ね備えた施設です。
数カ所に分散されていた役場としての機能を一元化することで、町民サービスの向上を図りました。庁舎の隣には与那原町の文化発信の拠点となる「上の森かなちホール」があり、庁舎と連動した催しも可能な複合施設です。
議会部門が集約した4階にある議場は、「町民に開かれた議会」をコンセプトとしてつくられた場所です。明るく清潔感のある通路から濃茶色の扉を開くと、風格のある議場空間が広がります。近隣の中学生が町議会議員を体験する「与那原中学生議会」も行われ、早くも町民に開かれた議会としての利用が始まっています。

誰にでも使いやすい議場の家具

木のリブがずらりと並び、船底を逆さまにしたような勾配のついた天井が特徴的な議場は、重厚感がありながらもモダンで明るい雰囲気です。議場家具は従来を踏襲し、机もイスも床に固定されているタイプが採用されました。

シンプルかつ温かみのあるデザインの議場机は、なら材(オーク)でつくられました。
議長机は前面にカーブをつけ、議員や執行部の机には角に丸みを持たせることで、空間に柔らかさと高級感を演出します。
中央の発言台は、どんな人でも発言しやすいよう、天板の高さ調節ができる仕様になっています。天板下のレバーを掴むと天板が上がり、押すと低い位置まで下がります。誰でも使いやすいよう、軽い力でワンタッチ操作ができるユニバーサルデザインです。750mmから1050mmまで、任意の高さで止められるため、発言者の体格や状況に合わせて、スムーズに調節することができます。

イスは、無垢材の肘木がアクセントのAC-37シリーズが選ばれました。
離籍時に自動的に正面を向くオートリターン式のため、美しい整列を保つことができます。
また、座るとイスが自動的に机の方に動くスライドフォー機構を搭載しており、固定式でも着席時の机との距離をほどよく縮めることが可能です。
議員席の後方には、傍聴席が並んでいます。4席の記者席と16席の傍聴席の横には、車イスのままで傍聴できる充分なスペースが確保されました。どなたでも傍聴しやすい、町民に開かれた議会のための工夫です。
イスの張地はチャコールグレーで統一しました。明るく柔らかな議場空間を、ぴりっと引き締めています。

工夫が凝らされた内装で特に印象的なのが、議長席後方の意匠です。
与那原町の特産品であるひじきの黒色の上に、同じく与那原町の特産品である赤瓦が美しく並べられています。
窓の外には赤瓦の花ブロックが並び、沖縄らしい味わいのある議場空間になっています。

施設概要

与那原町町役場は、上の森かなちホールとの複合施設として建設されました。
そうすることで「ひと・行政・文化」の一体的なつながりを生み出し、情報提供、災害時利用など、さまざまな役割を担い、町民サービスを高めています。
新庁舎は災害時、町長室が災害対策本部長室、庁議室兼大会議室が対策本部として機能します。そのほか、ホールと近隣の観光交流施設とも連携し、迅速に対応できるようつくられました。町民の憩いの場所であるとともに、町民の命を守る大切な施設です。

居室データ

所在地
901-1392 沖縄県与那原町字上与那原16 地図
施主
与那原町
設計
梓・国吉設計共同企業体
オープン
2021年4月
席数
58
※傍聴席・記者席を含む
関連リンク
与那原町 Webサイト