与那原町上の森かなちホール

2022.11.28
多目的ホール(可動席)

施設説明

町民待望のホールが誕生

2021年春、沖縄県与那原町の新庁舎とともに「上の森かなちホール」がオープンしました。最大403人が収容できる、町民待望のホールです。
「与那原大綱曳で東西の縄をつなげる役目のカナチ棒のように、みんなの心をがっちりとつないでほしい」「ゆいまーる(助け合い)の気持ちが広がる場所になってほしい」との願いを込めて、名付けられました。
メインのエントランスを抜け、通路を進んだ先にはホールのホワイエ機能も兼ね備えたラウンジがあります。ホールは、その隣に位置します。

幅広く利用したいという要望に応える移動観覧席

ホールは当初から、音楽・演劇・映画鑑賞・講演会・配信など、目的に応じて幅広く利用したいという要望がありました。そこで客席として採用されたのが、電動式移動観覧席「ロールバックチェアースタンド」とスタッキングチェアです。
ボタン操作だけで階段状の客席が展開・収納できる移動観覧席は本格的な客席と平土間の利用を、ひとつのホールで実現できる製品です。11段・242席の座席を作り出すのに要する時間は、3分40秒ほど。何もない平土間空間に、あっという間に本格的な観客席が設置できます。
搭載したイスは、背座のクッションが柔らかなタイプSという製品です。離席時には座がコンパクトにたたまれ、そのぶん座席間の前後スペースが広く確保できるため、大人数が一斉に離着席する際もスムーズです。
歩行時に発生する振動を最小限に抑え、安全で快適な鑑賞環境をつくりあげています。

スタッキングチェアはワンランク上の座り心地

移動観覧席と合わせて導入したのは、アクシスFC-310です。
アクシスは、ホール向けに開発されたスタッキングチェアです。たっぷりのウレタンフォームを用いた背座が、ふわりとした優しい座り心地を提供します。
さらに、座はウレタンフォームと樹脂繊維コアを用いた二層構造となっており、座った時に底付き感がなく、長時間の着座も快適です。
張地を移動観覧席と揃えることで、客席との一体感が生まれました。
スタッキングチェアは単体でも利用できるため、催しに合わせたさまざまな使い方が可能です。

音楽イベントを可能にする可動式の音響反射板

ピアノの発表会や合唱など音楽イベントの際に役立つのが、ステージ上に並べる移動式の音響反射板です。
音が美しく響く角度に設計された音響反射板SSR-1001は、動かしやすいキャスター式。設置したい場所に運び、折りたたまれた板を上に開けば設置完了です。積み重ねができるスタッキングタイプなので、コンパクトな収納が可能。誰にでも操作しやすい使い勝手の良さで、ホールの活用の幅を広げます。

災害時には避難施設としても機能し、町民の命と暮らしを支える上の森かなちホール。オープンから1年半が経ち、シンポジウムや懇親会、演劇、映写会、音楽会、検診など、多様な催しに利用され、町民からも好評を得ています。

施設概要

与那原町上の森かなちホールは、町役場との複合施設として建設されました。
「ひと・行政・文化」の一体的なつながりを生み出し、各種イベント、防災機能、保健事業など、さまざまな役割を担い、町民サービスを高めています。
地域の催し物から本格舞台公演まで、目的に応じて幅広く対応できるホールのほか、プレイルームや栄養相談室、和室などが設けられ、地域住民が利用しやすい施設です。

居室データ

所在地
901-1392 沖縄県島尻郡与那原町字上与那原16 地図
施主
与那原町
設計
梓・国吉設計共同企業体
オープン
2021年4月
席数
403
※スタッキングチェア161席を含む
関連リンク
与那原町 Webサイト