感動を共有する文化の拠点「なはーと」
2021年10月、那覇市久茂地に開館した「那覇文化芸術劇場 なはーと」は、県内随一の都市型公共劇場です。文化芸術振興の拠点や、まちづくりの中核施設として人やまちが元気になり、より魅力的な那覇市が創造されることを目指してつくられました。
施設の名称の“なはーと”は、NAHA(那覇)とHEART(ハート)、ART(アート)を語源とし、那覇市の心を揺るがす芸術の発展拠点として人々に親しまれるようにと願いを込めて命名されました。
首里城を思わせるフレキシブルな客席
小劇場は、舞台や客席に可変機能を備え、空間を自由に利用できる多目的ホールです。
朱色の舞台壁など、ホールのテーマである首里城の雰囲気を味わうことができる空間になっています。
客席は、移動観覧席とスタッキングチェアから構成された最大300席です。
納入後のメンテナンスも評価され、安心して長く利用できるようにとこれらの製品の導入が決まりました。
フルオートタイプの
移動観覧席は、簡単な操作で階段状の客席を展開・収納できます。
リモコンのスイッチを押すだけで、数分で客席の設営が可能のため、スタッフの手を煩わせることがありません。
移動観覧席と意匠を揃えたスタッキングチェアは、劇場・ホールの客席向けに開発した
TS-1212シリーズが採用されました。身体にフィットする背もたれと、ボリュームあるクッションが、豊かな座り心地を提供します。
スタッキングチェアを設置できるスペースは、床が迫りになっており、演目にあわせて客席レイアウトを変更することが可能です。広い空間が必要な際は、移動観覧席とスタッキングチェアを収納すれば、約400名収容の平土間としても利用できます。
鮮やかなオリジナルデザインの張地
座席の張地は、コトブキシーティングのテキスタイルデザインを手掛ける
株式会社FABRIKOによる特注品です。
小劇場の設計テーマ「首里城」に合わせ、沖縄伝統の「首里織」をイメージし、設計チームと協議を重ねデザインされました。
その中でも、王族専用とされていた首里花倉織がモチーフになっています。模様は、花倉織の特徴である、花織と透かし織を市松に並べたパターンです。そして、王女以上が着用したと言われ、市の木で、植物染料になる「福木(ふくぎ)」の黄色を表現しました。
鮮やかな黄色い張地が、赤と黒の落ち着いた内装によく映え、客席を美しく彩ります。
文化芸術の拠点であり、人々の心をつなぐ場となる「那覇文化芸術劇場 なはーと」。県民にとって、気軽に訪れることのできる憩いと交流の場としても、地域に賑わいをもたらすことでしょう。
施設概要
「那覇文化芸術劇場 なはーと」は、県内唯一の総合的な文化芸術発信拠点施設です。特徴的な外観は、沖縄伝統の織物「首里織(花倉織)」を外装パネルで表現し、建物全体を柔らかく包み込んでいます。施設内には交流の中心となる庭(ウナー)のような共用ロビーや、大劇場と小劇場の間に路地(スージグヮー)のような施設内通路を設け、誰もが気軽に訪れることのできる空間を生み出しています。