那覇文化芸術劇場 なはーと
大劇場

2022.06.22
劇場・コンサートホール

施設説明

那覇市の新たなランドマーク「なはーと」が誕生

2021年10月、旧那覇市民会館の老朽化に伴い、那覇市久茂地に移転した「那覇文化芸術劇場 なはーと」が開館しました。演劇やミュージカル、伝統芸能、音楽コンサートといった舞台芸術の創造発信拠点施設として、人やまちが元気になり、より魅力的な那覇市が創造されることを目的に建てられました。

約1,000件の市民の応募の中から決定した名称「なはーと」には、那覇市(NAHA)の心(HEART)を揺るがす芸術(ART)の発信拠点として人々に親しまれ、文化芸術が発展するようにという願いが込められています。

沖縄の海の中を思わせる神秘的な客席

約1,600席の大劇場は、様々な分野の舞台芸術作品の上演に対応可能な基本性能を備えたホールです。演者と観客の一体感を創出するため、客席の構成や設備の配置など細部までこだわって設計されています。

内装は、沖縄の海の中の城(グスク)がテーマとなっています。客席は、1階レベルを海の底に見立て、客席上層に向けて海面に近づいていくイメージでデザインされました。4色の張地をランダムなグラデーションに配置することで、沖縄の海の中を美しく表現しています。
天井は、水色を基調としたモザイク画で、海底から見た海面のゆらめきを表しています。

客席のイスは、なはーとのためのオリジナルデザインです。
沖縄の海をテーマとした設計コンセプトにあわせて、那覇らしさが表現できるよう、設計チームや那覇市と共に試行錯誤を重ね、形にしました。
特徴的な脚部の形状は、通行時に配慮したユニバーサルデザイン設計です。開演前などに座席の前を通行する際、着席者が欠き込み部分に足を潜らせることで、スムーズに通り抜けることができます。
背は、人間の背中に沿ってカーブを描く三次元曲面です。座のクッションには、着席時の体重を均等に分散させる波形スプリングと、型崩れがしづらい高密度のモールドウレタンを採用しています。人間工学に基づいた背と座の形状によって、視覚的な美しさだけでなく、長時間に及ぶ鑑賞でも快適な座り心地を実現しました。
ナンバープレートは、背板の表面・裏面・上部の3か所についています。広い客席の中でも迷わず、自分の座席位置が一目で分かるよう工夫が施されています。

未来への願いを込めた特注張地

張地は、コトブキシーティングのテキスタイルデザインを手掛ける株式会社FABRIKOによる特注品です。
設計チームの、沖縄の美しい海の底に珊瑚礁が鮮やかに広がるイメージにしたいという依頼にあわせて協議を重ねました。海に差し込む光の煌きや波のゆらぎ、さらに珊瑚の産卵のイメージも重ね、生命の誕生や未来への希望を多色の糸で表現しています。珊瑚の白化が問題になっている今、沖縄の美しい珊瑚への関心を持ち、未来へ継承していけるように、という願いも込められています。

美しいグラデーションが織りなす神秘的な空間で、舞台芸術を味わうことのできる「那覇文化芸術劇場 なはーと」の大劇場。
文化芸術の発信拠点としてはもちろんのこと、次世代の育成の場や人が集まり語らう場所としても、大きな期待が寄せられます。

施設概要

那覇文化芸術劇場 なはーとは、「感動を共有する文化の拠点」として誕生しました。
⽂化芸術の専⾨スタッフと市⺠の対話に基づき、他分野と連携しながら、「地域文化を創造・発信する」「優れた文化芸術に触れる」「育て・交流する」ことのできる劇場です。
館内には、大劇場や小劇場に加え、開放感のある広々としたスタジオや練習室を備えています。
開館後に行われた劇場見学会では、市民に向けた「オープンシアター」が催され、建設時の様子や開館まで市内で行われた文化事業などが紹介されました。

居室データ

所在地
900-0015 沖縄県那覇市久茂地3-26-27 地図
オープン
2021年10月
席数
1,602
施主
那覇市
設計
香山・久米・根路銘設計共同体
テキスタイルデザイン
株式会社FABRIKO
関連リンク
大劇場 | 那覇文化芸術劇場 なはーと WEBサイト
テキスタイルデザイン:那覇文化芸術劇場 なはーと 大劇場 | 株式会社FABRIKO WEBサイト