2019年に開設70周年を迎える青山学院大学
青山学院は、1874年に創設されたプロテスタント・メソジスト派の総合学園です。140年余りの歴史を有し、長い伝統があります。1949年には青山学院大学を開設し、現在では幼稚園から大学院までを有する総合学園に成長しました。2019年には大学開設70周年を控えており、21世紀の総合大学として、伝統を大切にしながらも常に変革を求め、進化を続けています。
創立90周年記念事業として誕生した青山学院記念館が、プロスポーツの本拠地へ
青山学院記念館は、学院および大学の式典などの行事や、大学の体育授業、体育連合会各部の練習・試合等に使用されている、大学体育館です。青山学院の創立90周年記念事業として、1964年に竣工しました。1階部分はバスケットボールコート3面分のフラットなフロア。2階には固定式のFRP製観覧席2,269席が、コートを囲むようにコの字型に設置されています。
2016年、この青山学院記念館が、プロバスケットボール「B.LEAGUE(Bリーグ)」で渋谷区を拠点とするB1チーム「サンロッカーズ渋谷」のホームアリーナに決まりました。大学の施設がプロスポーツチームの本拠地になるのは、初めての試みです。
そして、1階のコートサイドには、サンロッカーズ渋谷の試合を間近で観戦するべく、コトブキシーティングの移動観覧席が導入されました。
選手も観客も試合に熱中、一体感あふれる観覧席づくりのキーは移動観覧席
導入されたのは、手動で展開・収納・移動が可能なマニュアルタイプの移動観覧席です。通常は倉庫に収納しているため、大学の授業や部活動の支障になることはなく、試合やイベントの開催時など必要な時にだけ運び出し、設置することができます。
移動観覧席は階段状に設置できるため、スポーツ観戦しやすい視線を確保できることはもちろんのこと、1階席から2階席にかけての連続性が生まれ、一体感あふれる総席数2,800席のアリーナ空間が完成します。
移動観覧席に搭載された「VISION」というプロダクトネームのイスは、背と座にパーツが分かれたフィット感の高いツーピースタイプで、洗練されたシャープなデザインが特長です。
高密度ポリエチレン素材を、ブロー成形という空気で膨らませる方法によって成形されたイスは、大きくゆったりとしており、熱気あふれる観戦に臨む観客の身体をしっかりと支えます。
また、座の起立時の奥行きが260ミリメートルとコンパクトなことも、特長の一つです。スリムなイスの形状により通路が広く取れるため、通り抜けもストレスなくスムーズに行うことができます。
2016年の導入以来、さまざまなイベントで活用されている移動観覧席。B.LEAGUE の試合に留まらず、2017年からは「大相撲 渋谷青山学院場所」の観客席としても使用され、2018年には「表参道コレクション」でも利用が予定されています。
竣工から半世紀を経た今もなお、大きな注目を集めている青山学院記念館において、今後も移動観覧席はその役割を存分に果たすことを期待されています。