箕面市立文化芸能劇場
小ホール

2021.11.08
劇場・コンサートホール

施設説明

多彩な活用で市民利用が期待される、箕面市立文化芸能劇場の小ホール

緑豊かな環境に恵まれた、大阪府箕面市。利便性の高さから、大阪市のベッドタウンとしても人気の街です。
2021年8月、街の新たなシンボルとして「箕面市文化芸能劇場」が開館しました。
発表会や講演会など、市民や学生が気軽に利用できるようにとつくられたのは、300席の小ホールです。長方形の平面を持つシューボックス型のホールには、内装の美しさを担保しながら多彩なイベントに対応できるよう、工夫が施されています。ステージには、照明や各種装置を設置できるバトンが備えられました。
箕面船場の「繊維の街」としての歴史と、地名の由来である「箕面」が、竹材を織ったような内装で表現されています。

見やすく使いやすい客席空間

客席は、各段の段差が280ミリメートルの大きな勾配が特徴です。
中央ブロックのイスは、前列と位置を半席ずつずらすことで視線を確保する千鳥配置を採用しました。大きな勾配と千鳥配置によって、どの席からでもステージが見やすい客席空間を創り出しています。最後列には、5席分の車イススペースも完備。出入りがしやすく、ステージも良く見える場所です。
また、客席後方には、イスの背もたれを倒すことができる「背倒れ席」を1列設定しました。操作卓などが設置しやすく、各種イベントへの対応の幅を広げる工夫です。

内装との調和を図った、シンプルで機能的なイス

客席を構成するイスは、機能美を追求したシンプルなデザインです。
身体にフィットする三次元曲面の背もたれは、鑑賞時の姿勢をサポートします。背もたれ下部の形状は、背骨のS字カーブに沿うように奥まっているため、後列に座る人の足元スペースを広げ、通り抜けにも有効です。
座には、コトブキシーティングオリジナルの波形スプリングを内蔵しました。体圧を適度に分散させるため、長時間の着席においても快適に過ごすことができます。
肘掛は、先端を尖らせるような形状にしました。手が掛けやすいだけでなく、イス全体を軽やかに見せるデザインです。肘掛の下には、収納式のメモ台を装備。利用したい時に引き出して使うことができる収納式で、講演会などで資料を置いたりメモを取ったりする際に便利です。
背板・肘掛・脚パネルの木部は、内装に合わせたやや明るめの色味にすることで、空間とイスとの調和を図りました。
小ホールのためにつくられたオリジナルデザインの張地は、株式会社FABRIKOが手掛けました。ワッフルのような格子状の織りに、内装とリンクする「織り目」を想起させる控えめな格子状のグラデーション柄。主張しすぎず品格のあるテキスタイルは、ホールの上質さを一層高めています。

箕面市の歴史と風土を感じさせる小ホール。多くの市民の日常に溶け込むような身近なホールとして、多彩な活用が期待されています。

施設概要

箕面市立文化芸能劇場は、1966年に開設されたグリーンホール(箕面市立市民会館)に代わる施設として建設されました。コンサートや演劇などを行う大ホールと、発表会や集会などで市民や学生が利用しやすい小ホールから成ります。
建物は、箕面の名の由来と言われる「箕」と箕面船場地域を象徴する「繊維」をモチーフにデザインされています。各施設を箱に見立て、「織りのスクリーン」の箱や木製ルーバーで覆われた箱など、それぞれに質感のある箱がリズムカルに並ぶ構成です。ホール内ともリンクした建築デザインは、特徴的で奥行きのある景観を創り出しています。
文化を街へ、人へ、未来へ。箕面市に新たな価値を生み出す劇場です。

居室データ

所在地
562-0035 大阪府箕面市船場東3-10-1 地図
オープン
2021年8月
席数
300
※車イス席含む
施主
箕面市
設計
PFI箕面船場まちづくり株式会社(株式会社久米設計/株式会社大林組)
テキスタイルデザイン
株式会社FABRIKO
関連リンク
箕面市立文化芸能劇場 WEBサイト
テキスタイルデザイン:箕面市立文化芸能劇場 小ホール | 株式会社FABRIKO WEBサイト