箕面市立文化芸能劇場
大ホール

2021.11.04
劇場・コンサートホール

施設説明

箕面大滝をモチーフにつくられた、箕面市立文化芸能劇場の大ホール

2021年8月、大阪府箕面市の新たなランドマーク「箕面市立文化芸能劇場」が開館しました。
1401席の大ホールは、コンサート、バレエ、ミュージカル、演劇といったライブパフォーマンスから、試写会、講演会など、多彩なイベントに利用できます。ステージには自走式の音響反射板を設置し、一流の演奏家によるコンサートも堪能できるレベルの音響設計を備えています。
大ホールは、年間200万人もの観光客が訪れる箕面市の名所「箕面大滝」をモチーフにデザインされました。天井の柄は木々の木漏れ日、照明付木リブは滝のしぶき、コンクリートの凹凸壁は滝の岩を、客席の曲面は水門を、座席は水面に落ちた紅葉を表現しています。

どの席からもステージが見やすい客席形状

客席は全て、どの席に座ってもステージが見やすい円弧配置にしました。中央と左右の3ブロックに分かれています。全ての席で視線が確保しやすいよう、客席を配置。さらに、客席の段の高さを2段階で変え、客席後方に行くにしたがって段差が大きくなる「すり鉢状」に近い客席配置を採用し、見やすさを追求しました。

意匠性と座り心地を両立したイス

紅葉の葉を模した客席のイスには、随所に細やかなデザインを施しています。
人間の背骨のS字カーブに沿わせつつ、わずかに背中を包み込むように横方向に湾曲した三次元曲面形状の背板には、クッションを設けて座り心地を高めました。背もたれのスクエアなフォルムは、イスにすっきりとしたモダンな印象を与えています。背面下部には葉のフォルムを想起させる曲線の目地を入れて柔らかな雰囲気を演出するとともに、曲線を境に色を塗り分けることで立体感を加えました。
肘掛は、指先が掛かる先端部分を床に向かってわずかに伸ばした形状です。脚パネルとの間に隙間を持たせ、浮いたように見える肘掛は、重厚なイスに軽やかな印象を加えています。通路側の脚パネルは、直線と曲線の要素を織り交ぜたデザインで、イス全体の統一感を生み出しています。
張地は、客席のコンセプト「紅葉」をイメージした四色をランダムに配置しました。発色の良い鮮やかな平織張地を採用し、ホール全体に優美な印象を与えています。背もたれには、葉脈をイメージしたキルティングを施し、一層の華やかさを創り出しました。

箕面の自然を感じられる大ホールでは、多様な文化や芸術に触れることができます。市民や多くのアーティストにも愛される、箕面市の芸術の拠点として期待が高まります。

施設概要

箕面市立文化芸能劇場は、1966年に開設されたグリーンホール(箕面市立市民会館)に代わる施設として建設されました。コンサートや演劇などを行う大ホールと、発表会や集会などで市民や学生が利用しやすい小ホールから成ります。
建物は、箕面の名の由来と言われる「箕」と箕面船場地域を象徴する「繊維」をモチーフにデザインされています。各施設を箱に見立て、「織りのスクリーン」の箱や木製ルーバーで覆われた箱など、それぞれに質感のある箱がリズムカルに並ぶ構成です。ホール内ともリンクした建築デザインは、特徴的で奥行きのある景観を創り出しています。
文化を街へ、人へ、未来へ。箕面市に新たな価値を生み出す劇場です。

インタビュー


「天下の名瀑」の情景を再現
新たな文化発信の場となる文化芸能劇場

居室データ

所在地
562-0035 大阪府箕面市船場東3-10-1 地図
施主
箕面市
設計
PFI箕面船場まちづくり株式会社(株式会社久米設計/株式会社大林組)
オープン
2021年8月
席数
1,401
※車イス席含む
関連リンク
箕面市立文化芸能劇場 WEBサイト