帝京大学 八王子キャンパス SORATIO SQUARE(ソラティオスクエア)
1000人ホール(キュリオシティホール:CURIOSITY HALL)

2021.10.25
学校講堂・多目的ホール

施設説明

八王子キャンパスならではの講堂「CURIOSITY HALL(キュリオシティホール)」

八王子キャンパスは帝京大学のなかでも学生数が最も多いキャンパスで、多摩丘陵の自然豊かな中にあります。小高い場所からの見晴らしは抜群で、学生が学業に集中しやすい充実した環境が整えられています。2016年の創立50周年を機にキャンパスのリニューアルが進められ、高層棟と低層棟のある新校舎棟がつくられました。約1000人を収容できるキュリオシティホールは講演会やイベント、説明会、就職向けのガイダンスや各種講座などの授業に幅広く利用されています。また、帝京大学小学校や帝京大学幼稚園の園児たちが発表会のほか、いろいろな行事に使うこともあります。
ダークブラウンを基調にしたホールの壁面は、丘陵地にあるキャンパスであることに因んで、地層をモチーフにデザインされました。さまざまなブラウンが織りなす色の層が美しく、地層のもつ歴史の深さと、学問への深い探求心が呼応するかのように、アカデミックな落ち着きを醸し出しています。講堂らしい落ち着きの中に、アクティブな学生にふさわしい、明るい華やかさがあるホールです。

イスが生み出すホールの快適性

イスのクッションを包む布地もまた、ホールに特別な雰囲気をつくり出しています。コトブキシーティングと連携して、イスのテキスタイルデザインを手掛ける株式会社FABRIKOによるオリジナルデザインです。キャンパスを囲む自然をテーマに、客席全体が大きな木々の下にあるという見立てをし、「風にゆらぐ木洩れ日」がイスを照らす、光のきらめきを表現しています。色は暖かな日差しを感じるオレンジ色で、1階席と2階席はそれぞれに濃淡の違う配色を採用。照明の当たり方、見る角度によりさまざまに表情が変わり、立つ位置によって張地の表情の変化を楽しむことができます。
「キュリオシティ(=好奇心が生まれるところ)」というホールの名にふさわしいよう、「日々の学校生活のなかで、学生の好奇心、知性や感性がはぐくまれるように」というデザイナーの思いが込められて生まれた布地です。
イスは三次元曲面に成形された木製の背板にクッションを装着しており、心地よく上体を支えます。座席にはコトブキシーティング独自の波形スプリングを内蔵しており、長時間の使用でも快適な座り心地を提供します。イスの右側には回転収納式の肘メモ台を備えており、メモ台は筆記具が転がり落ちないようにミゾ付きとしました。脚部のデザインは、くの字の欠き形状が特徴的です。着座したまま体を回して足を避けられるように配慮したデザインで、人が前方を通り抜けしやすいようにするための工夫です。

利用しやすい座席配置

ホールの座席は最大で7人掛け、5ブロックの構成で、左右のどちらの通路からも中央の席へ出入りしやすくなっています。外側の左右のブロックは角度をつけて、ステージに向きやすいように配置されました。1階席は約800席あり、後方でも視線を確保しやすいように前方は平床、その後に150mm、300mmと段差のある客席になっています。2階には390mmの段差により、しっかりとステージを見下ろすことのできる席が約200席設けられました。
1階席の中間通路部には車イス利用のために座席を可変できる仕掛けがあります。イスはワンタッチキャスター付きの取り外し式で、車イスで利用する場合は床から外します。代わりに置き式の仮設台座を設置することで、客席に融合した平床に変換。前列席と段差があることで視線が確保された快適なスペースで、出入口からのアクセスも良好です。

自然に恵まれたキャンパスの場所性が生かされた美しいデザイン、座り心地と使いやすさを考えたイスの機能性、利用しやすさを考慮した座席配置により、キュリオシティホールは快適な学びの空間を実現しています。学生とって幅広い活動に利用できる、大切な場所です。

施設概要

帝京大学は1966年の開学以来、時代の変遷ごとに学び舎としての可能性を広げてきた総合大学です。板橋、八王子、宇都宮、福岡、霞が関の5つのキャンパスがあります。八王子キャンパスには、大学院・短期大学や小学校・幼稚園なども設置されています。
創立50周年を迎えるにあたり行われた、大規模なキャンパスの再整備により、低層棟(地上6階)と高層棟(地上22階・地下2階)からなる新校舎棟SORATIO SQUARE(ソラティオスクエア)が誕生し、帝京大学のシンボルのひとつになっています。SORATIOとは、果てしない大空、宇宙のように無限に広がる空間を表す「SORA(宙)」と、ラテン語で「理性」を意味する「RATIO」を組合せた造語。学生一人ひとりの可能性が無限に広がっていく様を表現しており、高層部・低層部から成る建物群をSQUARE(広場)として捉え、「SORATIO SQUARE」と名付けられました。
低層棟には講演会をはじめ幅広いイベントでの活用ができる1000人ホールとしてCURIOSITY HALL(キュリオシティホール)があります。新校舎は設備の充実したアクティブラーニング施設、PCステーション、少人数でのグループ学習室、プレゼンテーションスペースなど、学生の主体的な学習をサポートする工夫された学修環境が整っているほかに、地域の方も利用できる博物館があります。

居室データ

所在地
192-0395 東京都八王子市大塚359 地図
施主
学校法人帝京大学
設計
株式会社NTTファシリティーズ
竣工
2017年11月
(Ⅰ期は2015年5月)
席数
1,005
関連リンク
帝京大学 八王子キャンパス WEBサイト