東京文化会館
小ホール(2014年リニューアル)

2015.03.06
劇場・コンサートホール

施設説明

2014年12月、施設・設備改修工事による約半年間休館を経て、東京文化会館がリニューアルオープンしました。東京文化会館は、1961年(昭和36年)4月に、東京都が開都500年事業として誕生。以来、約半世紀以上の間、オペラやバレエ、クラシックコンサートなど、世界中で活躍するアーティストたちの名演が開催されてきました。建築家・前川國男氏(1905-1986)による代表的なモダニズム建築としても知られ、「音楽・舞台芸術の殿堂」として、国内外問わず多くの人々に親しまれています。今回の改修工事は、1999年の大規模改修以来、15年ぶり。東日本大震災を踏まえて、耐震性に万全を期した施設を目指しました。外壁の洗浄、大ホールの天井の耐震補強、空調や給排水、舞台機構装置や照明を始めとした設備の更新などが行われ、より安全で快適な文化会館に生まれ変わっています。
リサイタルやコンサートが行われる小ホールは、649席。どちらも世界的に活躍するアーティストに一目置かれるホールですが、こちらは華美を極めた大ホールとはまた違った顔を見せています。青色で統一された客席がコンパクトな舞台を取り囲み、美しい照明が落ち着いた空気で場内を包み込みます。小ホールのイスは、張地を新しく張り替えた他、座を構成する枠やスプリングなどを再利用して改修。環境に優しいリニューアルでありながら、生まれたてのようにピカピカです。
洞窟をイメージしてつくられた小ホール。ごつごつとした岩のような壁面は、内装を担当した、彫刻家・流政之氏が手がけたものです。天井と壁で独特の反射音が生まれるため、他の場所では味わえない独特な音の響きを楽しむことができるホールとしても有名です。そして何と言っても目を惹くのは、舞台上に聳え立つ音響反射板。こちらも流政之氏による作品で、「昇り屏風」と呼ばれています。扇形の客席の視線の先にあるこの「昇り屏風」は、ステージにエネルギーが一集する様子を体現しているかのようです。

居室データ

所在地
110-0007 東京都台東区上野公園5-45 地図
施主
東京都
設計
株式会社前川建築設計事務所 
オープン
2014年12月
席数
649
開館
竣工時設計
関連リンク
  • 東京文化会館 webサイト