四日市市総合体育館
アリーナ

2021.06.10
スポーツ・エンタテインメント施設ドーム・アリーナ・体育館(屋内)
©2021(株)エスエス 走出 直道
©2021(株)エスエス 走出 直道

施設説明

スポーツの役割を実現する場所 2020年5月、新体育館オープン

四日市市は三重県の北部に位置し西は山々に東は海に面した温暖な場所で、太古には市内各所に古墳が築かれた歴史の深い町です。各時代の種々の産業発展を経て商工業の都市として進化し続ける中、四日市市ではスポーツを通して心身ともに健康であること、豊かな心や感性を育むことを大切に考え、その基盤となるスポーツ施設の整備を市の重要な課題のひとつに挙げています。そのなかで国体の開催もあり、旧体育館に代わり新体育館がつくられました。

東海地域有数の広さを誇るアリーナの観客席

メイン施設であるアリーナはバレーボール4面、バスケットボール3面、ハンドボール2面、バドミントン20面などに使える充実した広さがあります。
上層部にはスポーツの楽しみのひとつである観戦のために、3000席の観覧席が設けられました。この客席に採用されたのが背座一体型の成形合板シート:NP-8000です。成形合板は良質な材料選びから始まり、薄い単板を積層し、型にはめてプレス加工する高度な技術により生まれます。その仕上がりは美しく、薄くても強度がありしなやかな曲面が魅力です。座席は利用者が直接触れるもの、木質のやさしい感触と温もりが心地よく伝わります。アリーナの特徴でもある内装の木部と相重なって上質な空間をつくり出しています。このイスが設置されている客席の段差は500mmあり、センターコートへしっかりと視線が届くので観戦に集中しやすく、奥行は1050mmでゆったりとしており、快適な観覧環境となっています。
また、イスの脚は段の蹴上部分に取り付けるタイプが採用されました。このため足元がすっきりとしていて清掃がしやすく、清潔で快適な客席づくりの一助になっています。

間近で観戦する楽しみをつくる移動観覧席 

フロアには間近で観戦できるように移動観覧席(RSP)手動式タイプが導入されました。
16ブロック512席で構成されるこの移動観覧席は、全体移動式で自在に動かす事が可能なので、目的に合わせて最適な位置に観客席をセッティングできます。四日市市総合体育館のアリーナの場合は中央にある出入口を物品の搬入や選手の入場口に使うことがあり、出入口前を大きく空けた配置をする場合があります。また、移動観覧席は収納庫にコンパクトに格納できるので、観覧席を使わない催しではフロアを最大に活用するなど、アリーナは移動観覧席のフレキシブルな配置により幅広く利用されています。
移動観覧席はアリーナのサイズと必要な席数に応じて設計されるので、各施設の使い方に沿った最適な空間づくりに応えることができます。この移動観覧席は利便性だけでなく、地震国で必要とされる強度と耐震性能を有しておりますので、安全に安心して永くお使い頂けます。

四日市市で人々の健康を願ってつくられた体育館は大小さまざまなスポーツ大会をはじめ、日々の練習など、その活用も市のさらなる発展と共にますます活発になっていくことでしょう。

施設概要

東海地域有数の広さを誇るアリーナをはじめ、弓道場や分割して使える多目的室を備えた新体育館は市を代表する緑地である中央緑地にあります。この緑地はジョギングや芝生広場での憩い、散歩などで市民に親しまれている場所で、新体育館は中央緑地の公園利用や景観を考慮して設計されました。設計を担当したのは株式会社久米設計建築設計部の松尾敬一氏。環境への配慮と機能性を兼ね備えた施設の内部は、木質を生かした内装です。木材を曲げながら格子状に組み合わせ、波紋の重なりや広がりを表現したアリーナのデザインは「スポーツの感動と躍動の広がりを感じてもらうこと」をコンセプトにしてつくられました。スポーツをすることに加え、トップレベルのスポーツを観ることができる場所として、スポーツの振興および市民の健康増進を図るために、さらなる活用が期待される施設です。

居室データ

所在地
510-0886 三重県三重県四日市市日永東一丁目3番21号 地図
施主
四日市市
設計
株式会社久米設計
オープン
2020年5月
(体育館のみの竣工:2019年9月)
席数
3,512
(移動観覧席512席、固定席3000席)
関連リンク
四日市市総合体育館公式サイト