ホールの空間を大きく印象付ける張地に注目
地域の特色を織り込んだ、市の文化ホールの客席づくり【青い劇場・ホール編】

2021.10.08
事例特集

劇場・ホールのイメージづくりに大きく影響する客席のデザイン。コトブキシーティングでは、地域の魅力や特色に合わせた張地のデザインをご提案しています。 オーダーメイドのテキスタイルデザインは、色や模様に工夫を凝らすことができるため、施設の地域性やオリジナリティの訴求にもつながります。 今回は、地域の特色に合わせてイスの張地をデザインした文化施設の中から、さわやかな青い張地が印象的な劇場・ホールをご紹介します。

01深海の洞窟をモチーフにした美しく幻想的なホール

八丈町庁舎 多目的ホール「おじゃれ」

築50年が経過した旧庁舎に代わり、災害に強く住民が利用しやすい施設になるべく、多目的ホール併設の複合施設として建設された八丈町庁舎。

多目的ホールの愛称は「おじゃれ」。八丈島の方言で「いらっしゃい」を意味します。

1階席は可変劇場イスを含む可動席となっており、収納が可能。ホールの内装は八丈島で人気のダイビングからイメージされ、深海の洞窟がモチーフとなっています。

海に潜ったときに上がっていく気泡を表した特注の張地は、設計事務所と弊社テキスタイルデザイナーが打ち合わせを重ねて製作しました。
水玉模様の織り柄に更に水玉模様の型押で立体感を加え、奥行き感と色の微妙な変化を生み出します。
照明によって変わる表情も、非常に美しく幻想的です。

02繊細な表情を見せる青のテキスタイル

長野市芸術館 メインホール

2016年5月にオープンした、長野市芸術館。長野県の自然豊かな山に囲まれた地形をイメージして、メインホールの内装デザインテーマは「山並み」に。壁と床には県産材のクリが使用され、雄大な山々をデザインしました。

コトブキシーティングが納入した1292席の槇文彦氏によるデザインのイスは、曲げ木の肘掛けが特徴的。また、腰の位置から上に向かってすぼめた背もたれ形状によって、1席1席の存在感が強調されています。軽やかなこのデザインは、個席を印象づけながらも、会場の一体感を創出。

立体的な空間の演出に一役買っているのは、イスの張地です。繊細な表情を見せる青のテキスタイルは、わずかに彩度の異なる経糸と緯糸を用いて、畝のように織りこまれています。これによって張地に凹凸が生まれ、色の深みが際立っています。更に三つの階調で三色の青を製作し、それぞれの張地をランダムに張り分けました。焦げ茶のドット模様を入れることによって、同系色だけでは表現できない奥行きも生まれています。

038色の布地で、さわやかな海を表現

大船渡市民文化会館・市立図書館 リアスホール

岩手県大船渡市は、陸中海岸国立公園の南部に位置し、世界三大漁場の一つである漁場 と、風光明媚なリアス式海岸を持つ、海と密接なつながりのある街です。
2008年11月、この街に、海をモチーフとしたデザインが随所に感じられる新たなホールが誕生しました。

海岸に押し寄せる波の動きや海の微妙な色の変化を、アシンメトリーなイスの連続と、ブルーのグラデーションで表現しています。最大の効果が得られる様に何度も打合せを重ね検討し、8色の布地で張り分けることにより具現化されました。

総席数1,100席のホールですが、ホール全体がコンパクトにまとまっているため、舞台から客席までの距離も近く、舞台が見やすいつくりとなっています。

※この記事は、過去に掲載した納入事例記事をテーマごとにご紹介しています。

劇場・ホールイスサイト トップ張地のカスタマイズページ

一覧へ戻る