東日本大震災から6年9ヶ月が経った2017年12月、釜石市民ホールTETTOに「釜石の第九」が響き渡りました。震災後も絶えることなく歌い継がれた、釜石の人々にとって特別な交響曲。「歓喜の歌」とともに、新たなホールの歴史が華々しくスタートしました。
二つのホールをもつ釜石市民ホール TETTO。2層の客席から成る本格的な劇場仕様のホールAは、1階の客席を全て可動式としました。劇場イスを搭載した移動観覧席と、イスを設置した床ごと動くワゴン席で構成されています。未使用時は、全て前方に収納することが可能。そのため、本格的なホールでありながら、平土間として使用することもできる空間が生まれました。
1階の客席を収納すると、フラットなフロアが生まれます。その状態でホール後方のスライディングウォールを開けると、その奥に広がるホワイエと一続きになるのです。さらに、ホワイエとその奥のホールB、さらにその奥の広場との間に設置されたスライディングウォールをそれぞれ開けると、ホールAからホワイエ、ホールB、広場が一体となった広い空間が生まれます。コンサートから平土間を使ったイベントまで、地域の多様な催しに役立つホールです。
同じ敷地内にある釜石情報交流センターとの間につくられた広場には、大きなガラス屋根がかけられました。隣接する大規模商業施設や商店街を利用する人の通り道としてだけでなく、日常の憩いの場となっています。