座ってしまえば気にかけることの少ない劇場・ホールの客席のイス。しかし入場した時の空間の印象付けには、大きな役割を果たします。劇場オーナーや建築家のご要望に沿って、劇場や地域の特色を盛り込んだ特別なデザインの張地を専門メーカーとしてご提案。張地でグッズの作成も可能です。
「この劇場が好き!」と感じるポイントに大きく関わる、「建築」。劇場に足を運ぶ人々が、その劇場の建築や内装にも大きな魅力を感じていることを、シアターコラム 「○○だから好き! 私の『お気に入りの劇場』はコレ!」 でもご紹介しました。インテリアデザインは、劇場の雰囲気を大きく左右する箇所なのです。
今回は、インテリアデザインと密接な関係を持つ、劇場イスの張地デザインと、それを用いた特別なグッズについてご紹介します。
劇場の雰囲気を創造するデザインを、劇場イスの張地として…
長野市芸術館の特注張地が開館の記念グッズに!
劇場の空気を持って帰ろう!
コトブキシーティングでは、劇場オーナーや建築家のご要望に沿って、劇場や地域の特色を盛り込んだ特別なデザインの張地をご提案します。座ってしまえば気にかけることの少ないイスですが、入場した時の空間の印象付けには、大きな役割を果たしています。
揖斐川の伝統芸能の舞で使われる、色鮮やかな鳳凰の羽を模した「シナイ」がモチーフ。ヘリンボーン柄にゆらぎを加え、光沢感のある縞と重ねることによって、鳳凰が羽ばたいているかのような動きを表現しました。
サントリーホールの客席は、当時の日本で初めて取り入れられたヴィンヤード形式。全2,006席がぶどうの段々畑状にステージ(太陽)を向いています。イスの張地はこのヴィンヤード形式にちなんで、ワインレッドのぶどう柄にデザインされました。 撮影協力:サントリーホール
立体的な編柄の中に密かにデザインされたのは、テレビ朝日の「5チャンネル」を意味する「V」。1階の可動席はワインレッドに、1階奥と2階の固定席はグレーブラックに張り分け、客席の奥行きを引き立たせています。
ダイビングが盛んな八丈島。海に潜ったときに湧き上がっていく気泡をデザインしました。水玉模様の織り柄に、更に水玉模様の型押で立体感を加え、奥行き感と色の微妙な変化を生み出します。照明によって変わる表情も、非常に美しく幻想的です。
張地のカラーは、九州大学のスクールカラーであるエンジが基調となりました。ボルドーに染めた経糸と、ブラックの緯糸を組み合わせた立体的な織り柄。表面にテクスチュアと光沢が生まれ、空間全体に遠近感をもたらします。
校名の「ポラリス(北極星)」から、星を散りばめたように仕上げました。4色の絣染めによる緯糸をドット部分に使用。キラキラとした星の瞬きが夜空に広がる、そんな美しい情景がイメージできるデザインです。
こちらは、2016年5月にオープンした長野市芸術館のメインホール。劇場イスの張地は、このホールのために特注でデザインされました。畝のある織りによって、凹凸ができ、繊細な表情を見せてくれるブルーのテキスタイル。経糸と緯糸で微妙に異なる青を用いることによって、深みのある色を演出します。焦げ茶のドット模様がアクセントになり、同系色だけでは表現できない奥行きを生み出しました。
メインホールのイスは、3種類のブルーをランダムに張り分けており、開館記念の限定グッズとして使用されたのは最も落ち着いたシックなブルー。外出先やその日の服装を問わない、使いやすいカラーとデザインです。
このトートバックの商品企画のご担当者である、長野市文化芸術振興財団の増田泰男さんにお話を伺いました。
長野市芸術館のトートバックは、NCACチケットセンターにて300個限定販売中です。 トートバックの詳細は、長野市芸術館のトピックス よりご覧ください。
コンサート・演劇・ミュージカル・オペラ・バレエ――非日常の世界へ誘う舞台芸術の上演場所である劇場空間が創り上げる空気感、これは来場者の高揚感を左右する大きなポイントです。そして劇場のイメージを大きく担う客席の印象づくりには、張地のデザインが密接な関わりを持っているのです。
「劇場の空気を鞄に詰め込んで家まで持って帰りたい!」、そんな気持ちに応えてくれる長野市芸術館のトートバッグは、劇場とその劇場を愛する方の双方に嬉しい特別なグッズです。
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