茶源郷の町の未来を育む、新たな交流拠点
京都府南部に位置し、宇治茶の最大生産地として知られる和束町は、見渡す限り続く茶畑の絶景から「茶源郷」とも呼ばれています。2025年4月に誕生した和束町健康福祉交流センター(cha nova)は、保健・医療・福祉に加え、住民交流の機能を一体化した複合施設です。愛称には、名産のお茶(cha)と人が集う場(va)、そして「新しい(nova)」という意味が込められています。建物中央には開放的な吹き抜け空間が設けられ、一面ガラス張りの壁からは山肌を覆う茶畑の景観が広がります。
2階の多目的ホールは、災害時には避難所としても機能し、日常の健康的な暮らしと非常時の安全の両面を支える、町の新たなシンボルとなっています。
短時間で展開・収納が可能なフルオートの移動観覧席
多目的ホールの多彩なシーンを支えているのが、フルオートの移動観覧席です。全6段・84席の観覧席は、リモコン操作ひとつで、わずか約2分20秒のうちに展開・収納が可能です。天井高の制約に対応した段床設計により、良好なステージ視界と最大の座席数を両立。シアター形式のイベントから平土間を活かした日常利用まで、用途に応じてスムーズに切り替えることができます。
観覧席のイス
「TypeS」は、高耐久の立体メッシュ素材を採用し、長時間の使用でも蒸れにくく快適な着座環境を維持します。張地や化粧パネルをモノトーンで統一することで、空間全体に落ち着きと一体感をもたらしました。展開時には両サイドのカーテンが観覧席の下に人や物が誤って入り込むのを防ぐなど、安全面にも配慮し、誰もが安心して利用できる環境を整えています。
にぎわいと交流を生む自由なレイアウト
多目的ホールでは、移動観覧席に加えてスタッキングチェア
「FC-303」を併用しています。身体に沿う曲面背もたれによる快適性を備え、軽量な本体は専用台車で最大30脚まで垂直に効率よく収納可能です。移動観覧席と組み合わせると最大210席を確保でき、少人数の会議や講座ではコンパクトなレイアウトへ変更するなど、イベント内容に応じた柔軟な活用を実現します。
開館以降恒例となった「親子でにこにこコンサート」では、前方の平土間で子どもたちが自由に体を動かし、後方に設けられた観覧席から観客が温かく見守る光景が広がります。同じ時間と空間を共有できる場の存在が、多世代の自然な交流を育んでいます。こうしたフレキシブルな空間活用は、地域内にとどまらず町外からの来訪も促し、和束町に新たなにぎわいをもたらす交流拠点としての役割を果たしています。
施設概要
和束町健康福祉交流センター(cha nova)は、京都府相楽郡和束町が運営する、保健・医療・福祉を一体的に提供する複合施設です。町民の健康と暮らしを支えるワンストップ拠点として、1階には診療所や保健福祉課に加え、図書コーナー、キッズスペース、調理実習室などを備えています。2階には多目的ホールのほか、和室、会議・研修室、保健センター、社会福祉協議会が集約され、多世代が自然に交わる場を形成しています。災害時には避難拠点としても機能し、地域を支える「安心の基盤」となります。