県立高校改革として再編統合した新設高校で、既存校舎を改修した教育環境の整備
2023年4月、神奈川県立城山高等学校と、同じく県立の相模原総合高等学校を再編統合した、相模原城山高等学校が開校しました。プロジェクターなどの大型提示装置を用いた授業、タブレットやスマートフォンを通して学習支援ツールを活用した授業を行い、基礎学力の定着や思考力・判断力・発表する力を育んでいく、県内からも注目度の高い新設高校です。
旧城山高校の敷地と既存校舎でスタートを切るなかで、施設整備の一環として、一部の教室では改修工事が行われました。これまでは木製のシンプルな座跳ね上げ式の机イスが並んでいた視聴覚教室も、情報教育を推進する場所にふさわしい教室を目指して、リニューアルを実施。コトブキシーティングが「劇場のようなライブ感あふれる講義」をコンセプトに設計した、レクチャーシアターシリーズのイスが導入されています。授業はもちろん、軽音楽部の活動場所としても使用されており、学びと表現が響き合う、多目的な空間です。
学習意欲を高める美しい佇まいと快適な座り心地
学校関係者がコトブキシーティングのショールームを訪れて選んだのは、
レクチャーシアターイスLT-450でした。左右2本の脚で座席を支える一般的な劇場・ホール仕様のイスとは違う、座の下から伸びた1本の脚によるすっきりとした美しい佇まいが、選定のポイントとなりました。ウレタンを張り包んだ肘の化粧パネル、その肘を囲んだ肘枠、そして背板と座裏などの随所に用いた天然木も、意匠の大きな特徴です。豊かなボリュームあるクッションとのコントラストが引き立ち、他の教室と趣きの異なる特別な空間へと印象づけています。
背もたれは、硬さの異なる三つのクッションによって構成されています。肩まわりは柔らかく、腰部分はランバーサポートが効き、生徒一人ひとりの身体をしっかりと支えます。座は、硬さの異なる2種類のウレタンフォームと、サスペンション効果のあるクッション材を使った三層構造です。座の奥が背もたれに沿ってせりあがるダックテールシート部分に採用された張地は、座席全体を包む平織張地ではなく、滑らかな硬さのある合成皮革。着席した身体とイスを密着させて、正しい姿勢へと導きます。
組み合わせたテーブルは、収納ボックス付きの
LT-150です。必要なときのみ引き出して使うことができ、空席時などはボックス内に収めておけるため、すっきりとした見た目を保ちながらスムーズな席へのアクセスに貢献します。A3サイズに対応できる広さがあり、タブレットやノートパソコンなどの電子機器を置く際にも快適です。
前方と後方で違いをつけた張地色とレイアウトは、1本脚ならでは
LT-450の1本脚は、隣席と脚を共有しないことによる、自由度の高いレイアウト設計を可能にします。視聴覚教室では、広い横通路を挟んだ前方48席をややカーブしたアール配置に、スロープのある後方132席を直線状の配置にと、変化をつけました。授業内容や人数によって、前方または後方だけを使うなどの、柔軟な利用も可能です。
張地には2種類のブルーを使って、前方席は落ち着いた雰囲気に、後方席は学生らしい明るくはつらつとした印象に仕上げました。テーブルの白い天板との組み合わせは白を基調とした内装によく映え、オープンスクールの学校説明会や保護者向けの進路説明会など、校内の重要な催しでも、装いと座り心地の両面から学校生活を支えています。
施設概要
神奈川県では、少子化社会のなかで生徒に望ましい教育を推進する目的で、「県立高校改革」を掲げています。2020年度から4年間かけて行われた第2期計画では、県内の計8校を4校へと再編・統合しました。神奈川県立相模原城山高等学校は、2023年4月に開校。ICT利活用授業研究推進校に指定されていた県立城山高等学校と、プログラミング教育研究推進校に指定されていた県立相模原総合高等学校を再編統合することで、情報教育に強い両校の長所を生かした新しい高校づくりを目指しています。柔軟な教育システムや教育課程を展開し、生徒一人ひとりのニーズや進路希望に合わせて、幅広く多様な選択科目が履修可能です。