三重県唯一の女子校が、ふるさと納税の後押しを得て視聴覚室をリニューアル
セントヨゼフ女子学園高等学校・中学校は、三重県津市半田にある私立中高一貫のカトリックスクールです。アメリカから来日したシスター達による1959年の創立以来、三重県唯一の女子校として、女性リーダーの育成に取り組んできました。
新校舎の建設や既存校舎の改築・増築など、学びの環境の整備を随時行い、2025年8月に完了したのが、視聴覚室のリニューアルです。長年の使用で老朽化が目立っていた中、2024年8月の大雨による浸水被害が改修の決め手となりました。「ふるさと津かがやき寄附(ふるさと納税)私立学校応援交付金事業 こどもたちが未来に向かってかがやくまちづくり」による寄付金も後押しになり、140席の机イスが装いも新たに生まれ変わっています。
耐久性の高い机イスへの入れ替え、女子校らしい明るい雰囲気に
視聴覚室は、普通授業のほか、映像の視聴、各学年の生徒と保護者が一緒に参加する説明会などで使用されています。地下1階にあり、1年を通して湿度が高いこと、また長年に渡って多くの生徒の学習環境を支えてきたことから、リニューアル前の木製の机イスは、劣化や損傷が顕著でした。ささくれ立った座にスカートを引っかけてしまうなどのトラブルもあり、改修にあたっては、耐久性のある丈夫な机イスが求められました。
今回導入されたのは、床固定式の
講義机イスSD-190シリーズです。イスの背もたれと後列の机が一体となったクラシックな座跳ね上げの仕様は、これまでの机イスと同様ですが、素材は合成樹脂。肌あたりが柔らかで、木に比べて劣化もしづらいため、安心して身体を預けることができます。座には、ビスケットカラーのビニールレザーを張ったウレタンフォーム入りのパッドを備え、座り心地も大きく向上しました。
張り替えたカーペットと、イスの背座のホワイトグレー、天板のナチュラルウッドの組み合わせで、空間全体が明るく優しい雰囲気に包まれています。
動線と寸法を改善して、学習に集中できる教室づくり
リニューアルによるレイアウトの大きな変化はありませんが、アップデートした点もあります。
1点目は、スムーズな動線です。既存の机イスは3人掛と5人掛を組み合わせたレイアウトでしたが、5人掛の中央席に座りたいときは左右の端2席を越えなければならず座りづらいという声がありました。今回は2人掛と3人掛の組み合わせに変更することで、席までの距離を短縮。席へのアクセスのストレスを軽減しています。掛人数の変更により、縦通路を1本増やしたため、通り抜けも良くなりました。
2点目は、ゆとりある寸法です。勉学に集中できる快適な席づくりを目指し、総席数を14席削減して、一人分間口を550mmから560mmに変更しました。また天板の奥行は、規格品よりも20mm余裕のある370mmにカスタマイズを施しています。教科書やノートを広げやすいことはもちろん、タブレットやノートパソコンなどの電子機器を利用するときにも役立ちます。
施設概要
セントヨゼフ女子学園は、1959年に高等学校、1961年に中学校を開校した、三重県唯一の私立女子中高一貫教育校です。キリスト教・カトリックの建学精神「愛と奉仕の実践」に基づき、品位ある自律した女性リーダーの育成を目指しています。教育課程では、SAC(スーパーアドバンスコース)とAC(アドバンスコース)の2コース制を採用。生徒の学力や興味・進度に応じた指導を行うほか、ネイティブ教員との2人担任制や探究学を取り入れるなど、グローバルな学びに力を入れています。