アキシマエンシス
体育館

2025.08.04
体育館・アリーナ

施設説明

地域の新たな交流拠点で叶えた、体育館の多目的活用

2016年に廃校となった東京都昭島市のつつじが丘南小学校が、2020年3月、教育福祉総合センター「アキシマエンシス」として、生まれ変わりました。校舎などの旧来の建物を改築した部分には、教育センター・児童発達支援担当・子育てひろば・男女共同参画センター・郷土資料展示室などが、校庭だった場所に建てたガラス張りの外観が印象的な新築の国際交流教養文化棟には、図書館・ライブラリーカフェ・郷土資料室などが並んでいます。
国際交流教養文化棟から渡り廊下で繋がった体育館には、市民の健康促進やスポーツ活動拠点の役割のほか、文化イベントも行えるホール会場としての機能も求められました。フロアの両側に白い壁面を新たに立てることで、従来の体育館らしい内壁を隠し、よりホールらしい雰囲気を演出。運動に適した広くフラットな空間と、舞台を鑑賞できる客席空間の切り替えができるアイテムとして導入されたのが、コトブキシーティングの移動観覧席です。 

リモートスイッチ一つで展開・収納、任意の位置へ移動も実現

階段状の客席を展開・収納できる移動観覧席は、空間の多目的活用に貢献します。収納時は、リモートスイッチの収納ボタンを押すとイスが折り畳まれて段床が重なり、体育館後方の専用の収納庫に納まります。展開ボタンを押すと重なっていた段床がスライドして階段状になり、イスが起立して客席の設営が完了します。
アキシマエンシスに導入された204席の移動観覧席は、本体が収納庫を離れて前方に走行する光学誘導前方移動式です。最後列が後方収納庫から離れないモード1、収納庫から離れて体育館中央に客席を置くモード2、舞台から最前列までの距離が最も近いモード3の3種類から設定位置を選ぶことができます。
モード1では、移動観覧席の前にスタッキングチェアを並べたり桟敷席をつくったりなど、より多くの客席を設けられるだけでなく、ステージエリアを舞台前にも拡張するなど、多様な演出が可能です。モード2や3は、モード1よりも少人数の催しに適しています。また、移動観覧席の後ろのスペースは展示エリアとして使うなどの、異なるイベントスペースとして活用することもでき、ベストなモードを選択することで、空間活用の幅が広がります。

シンプルなデザインながらもポイントを押さえた座席

搭載したイスは、シンプルなデザインながらも、ウレタンクッションが快適な座り心地を提供するタイプSです。着席時の快適性はもちろん、空席時には座が背もたれにぴったりと寄り添うように垂直に納まるため、通り抜けしやすい通路スペースも広く確保できます。
張地のカラーは、ホワイトを基調とした天井や壁に映えるワインレッド。通気性が良いメッシュ仕様で、長時間座っても蒸れにくい快適性と、ペン先などが引っかかってもほつれにくい耐久性を兼ね備えています。
移動観覧席本体に張られたカーペットや、収納時に壁面と並ぶ前幕板もホワイト調のため、200席を展開しても空間に圧迫感が少なく、明るく爽やかな印象です。

施設概要

アキシマエンシスは、「つなぐ・広がる・見つける・育む」をコンセプトに、市民図書館、郷土資料室のほか、教育と児童福祉関連などのさまざまな施設を集約し、市民の交流の場と課題解決を支援する、知の拠点です。昭島市立つつじが丘南小学校跡地にあり、校舎棟・国際交流教養文化棟・体育館の三つの建物で構成されています。新築の国際交流教養文化棟のエントランスホールには、アキシマクジラの化石の原寸大レプリカが吊り下げられており、クジラの胎内にいるようにも感じられる天井の骨組みデザインも印象的です。公募で決まった愛称は、アキシマクジラの学名である「エスクリクティウス アキシマエンシス」にちなんでいます。

居室データ

所在地
196-0012 東京都昭島市つつじが丘3-3-15 地図
施主
昭島市
設計
株式会社佐藤総合計画
オープン
2020年3月
席数
204
※移動観覧席の席数
関連リンク
アキシマエンシス WEBサイト