オーシャンサイドのコミュニティにより良いサービスを提供するための、図書館改装の集大成
オーシャンサイドライブラリーは何十年にもわたり地域社会の中心的存在として機能し、現在では調査・情報・教育・交流・文化など、地域の多様なニーズに応える、活気あふれる先進的な施設へと進化しています。MDAデザイングループとH2Mによって今回新たに改装された4万8,000平方フィート(約4460平方メートル)の施設は、自然光やバイオフィリックデザイン(空間の中にいる人が自然とのつながりを感じられるようにするための設計や手法)の要素を取り入れながら、持続可能性とユニバーサルデザインを重視して設計されました。この施設は、個人作業、複数人での作業、協働といった多様な利用スタイルに対応する、利用者中心のアプローチを採用しています。施設全体に広がる開けた視界、透明性、そして豊かな自然光が隔たりを取り払い、人々のつながりを育むことで、コミュニティの一体感を高めます。新しく生まれ変わった図書館は、カフェ、テックハブ、ポッドキャスト・スタジオ、STEMワークショップ、デモンストレーション・キッチン、クラフト・エリアなど、さまざまなゾーンに分かれています。さらに最先端のシアターも備えており、2万5千人を超える登録利用者と、より広い地域社会の多様なニーズに応える構成となっています。
多彩なプログラムに応える165席のシアター。図書館の美しさと調和するデザイン
劇場の設計にあたり、建築・計画を担当したMDAデザイングループは、劇場計画コンサルタントのTheater Projectsと協力し、視界、快適性、アクセシビリティの要件を満たす空間をデザインしました。また、施設全体に清潔感のある直線的なデザイン、明るい木部、ニュートラルな色調を取り入れ、図書館の美しさとの調和を図っています。新しいシアターは地元の芸術を披露する場として、多様で活気あふれる公演や講演、上映会、その他のイベントを促進・祝福する地域の重要な拠点です。シアターの誕生により、多目的利用のアプローチで整備された図書館の各ゾーンは、より一層の活用が期待されています。
MDAデザイングループ代表の建築家、エリザベス・マーティンは、さまざまな劇場イスを検討する中で、コトブキシーティングのニューヨークショールームを見学。劇場イス「
Crescendo(クレッシェンド)」TS-11が同社のデザイン基準を満たし、優れた座り心地であるとして、採用を決定しました。「Crescendo(クレッシェンド)」は、優れたサポート力だけでなく、個人の身体にフィットする角度の背もたれを特徴としています。
座には、着席者の膝裏にあたる先端部を薄くした「スペーシア」が採用されました。着席や離席の際に脚を曲げやすくなるため、足元が広くなり、スムーズな立ち座りが可能です。内部にはモールドウレタンと独自に開発した体圧を均等に分散する波形スプリングを使用しており、豊かな座り心地が得られます。
これらの機能により、MDAデザイングループ、H2M、Theater Projectsは、最適な視界、快適性、アクセス性を誇る劇場レイアウトを実現することができました。オーシャンサイドシアターは、シアターの内装と調和するように、木部パネルなどにはブナ材の天然木が使用され、張地にはアクセントカラーとしてコズミックブルーが採用されました。
施設概要
1938年の開館以来、オーシャンサイドライブラリーは、学習、創造性、そして活動の拠点として、1世紀近くにわたり地域社会のニーズに応えてきました。また、常に変化し続けるその役割に対応するため、長年にわたり何度も増改築が繰り返されてきましたが、これまでで最も大規模であった今回の改築と拡張工事は、図書館をモダンで最先端の施設へと変貌させるものとなりました。新しく誕生したシアターでは、ホワイト・オークの壁と、それに調和するイスが、ライブラリーのバイオフィリックデザインを引き立てています。2024年10月に2,700人以上が来場したグランドオープン以来、毎日1,000人以上が来館し、記録的な来館者数を記録しました。その成功は、利用者の急激な増加によって証明されています。