学校のイメージアップに貢献する客席のリニューアル
成城中学校・成城高等学校の小講堂は、学校説明会をはじめとした各種説明会や総会、新入生歓迎会、保護者会、講演会など、様々なイベントの開催場所として、約35年に渡り活発に利用されてきました。経年劣化のほか、時代と共に平均体型の変化により座席が窮屈に感じるようになったこと、また外部からの訪問客を迎え入れるにふさわしい空間にしたいなど、様々な課題を抱えていたことから、改修工事が決定。イスを新しくするにあたって学校が大切にしたことは、座席の快適性と堅牢性、そして保護者を含めた生徒以外の外部関係者からの印象でした。
保護者から寄せられていた「雰囲気が暗い」などのネガティブな意見を一新するため、イスを入れ替えるだけでなく、床のシートの張り替えも実施。空間全体の印象を大きく左右するイスの張地の色は、スクールカラーを想起させるネイビーをベースに全4色を使いました。爽やかで明るい客席へと生まれ変わった小講堂は、2025年1月から再始動しています。
集中力と一体感を促すレイアウト
客席のレイアウトは、リニューアル前の多角形配置を踏襲しました。ステージを囲むようにイスが並んでいるため、壇上に立つ教師や講師の姿が見やすく、客席全体の一体感も感じられるつくりです。
これまでは全席が講堂用の固定席でしたが、前方の100席をスタッキングチェアにすることによって、催しに応じて席数を調整したり、イスを全て収納してステージスペースを広く取ったりと、フレキシブルに活用できる空間を目指しました。
快適性と耐久性を兼ね備えた、鮮やかなブルーで彩る固定席
メインとなる固定席は、全国の学校講堂でも数多く採用されている、
劇場・ホールイスTS-71シリーズ「Cadenza カデンツァ」です。着席者の背骨に沿ってカーブを描く立体的な背もたれのクッションと、体圧を分散する波型スプリングを内蔵した座が、長時間でも座り疲れしにくい快適な座り心地を提供します。座のモールドウレタンは型崩れしにくく、耐久性も兼ね備えています。
座全体をテキスタイルで張り包むことによって、正面から見たときに鮮やかなブルーがしっかりと印象づき、学校生活にぴったりなフレッシュな雰囲気を創り上げています。
イスの大きさも、現代人の体格に合わせてアップデートしました。一人分間口が50ミリメートル広く、背もたれと座面高はそれぞれ70ミリメートルと50ミリメートル高くなっています。座り心地はもちろん、リニューアル前のイスに比べて脚部の形状や離席時の座の収納がコンパクトなため、座席前の通路もスムーズに通り抜けられるようになりました。
固定席に引けを取らない豊かな座り心地のスタッキングチェア
スタッキングチェアは、
「Axis(アクシス)」FC-310です。ウレタンフォームと樹脂繊維コアで創り上げた二重構造の座のクッションによる、固定席と比べても遜色ないボリュームある座り心地が特徴です。座った身体を抱き込むようにラウンドした大きな背もたれと、床への接地面が多いループ状の脚も、着席時の安定感を生み出すポイントです。脚部にはさっと美しく整列できるように、隣席と連結できるギャンギング機構も備わっています。
施設概要
成城中学校・高等学校は、東京都新宿区に位置する中高一貫の男子校です。創立以来、文武両道主義のもとで、「知・仁・勇」を掲げ、これからの社会でリーダーシップを発揮できる人間力を養う教育を実践してきました。2018年からは中高完全一貫校となり、校内のICT化やグローバル教育にも力を入れています。将来的な校舎の建て替えも検討される中、老朽化が目立つ小講堂の客席リニューアルに踏み切り、今後の移設も視野に入れた丈夫で快適な座席が採用されました。