A校舎に生まれた、大学のシンボルとなる学園講堂
京都女子大学は、東山キャンパス整備計画として、2010年から校舎の新築や改修工事を進めてきました。耐震面で課題を抱えていたA・Q校舎の解体撤去が、2023年に終了。2024年11月に竣工した「礼拝、憩い、集い、学ぶ」がコンセプトの新たなA校舎には、学園講堂や礼拝堂、カフェテリアなど、キャンパスの中心機能が集まっています。
大学のシンボルとなる学園講堂には、計画時から学内で大きな注目が集まっていました。学内行事やイベントなどで利用する学生や教職員にとって誇らしい場所になるようにという、大学関係者の強い思いもあり、入念に行われてきた客席のイス選び。ロームシアター京都をはじめとした、府内の著名なホールで座席を手掛けたコトブキシーティングの品質と実績が評価され、白羽の矢が立ちました。
客席のメインは、赤い張地と天然木の組合せが光る劇場・ホールイス
客席数600席のうち562席が、
劇場・ホールイス「Cadenza(カデンツァ)」TS-71シリーズです。全国の劇場・ホールの客席で多くの実績があり、そのイスとして王道のデザインながらも、座り心地には長年の研究で培われた技術が詰まっています。
表面に天然木を配した緩やかな三次元曲面を描く背板には、モールドウレタンが詰まったクッションを装備。着席者の背骨に沿う形状が、長時間でも快適に過ごせる姿勢を生み出し、その上体を支えます。座には、型崩れしにくい高密度のモールドウレタンと、体圧を分散する波形スプリングを内蔵しました。臀部への負担を軽減し、座り疲れを防ぎます。
一人分間口は、一般的なホールの客席よりも広い、530mm。パーソナルスペースを確保した、ゆったりとした掛け心地が特徴です。センターブロックには、前後1席ずつずらしてイスを並べる千鳥配置を採用し、見やすさを確保。木部は内装と調和する、明るいナチュラルカラーに塗装しました。通路側席の脚部には、木を贅沢に使った側化粧を施しています。イスの赤い張地やカーペットと相まって、空間全体に品格を持たせ、華やかさを演出します。
最前列と車イススペースに並ぶ、豊かな座り心地のスタッキングチェア
最前列と客席中央を横断する大きな通路に面した車イススペースに並ぶのは、固定席と同じ赤い張地で統一された
スタッキングチェア「Axis(アクシス)」FC-310です。見た目はスリムでシンプルなイスですが、ウレタンフォームと樹脂繊維コアで創り上げた二重構造の座のクッションと、上体を支える大きなアールを描いた背もたれが、固定席にも引けを取らない豊かな座り心地を提供します。
座面後部にある脱着式の座席プレートは、催しに応じてイスの位置を変えたり席数を調整したりする時に、真価を発揮します。ループ状の脚部には、美しく整列できるよう、隣席と連結できるギャンギング機構も備わっています。
施設概要
長年に渡って整備が進められてきた京都女子大学の東山キャンパスで、2024年11月、大学の中心機能が集まったA校舎が竣工しました。正門をくぐったすぐ先にあるこの校舎は、大学の特徴ともいえる赤レンガ調タイルを基調とした外壁と、四季折々に豊かな自然を感じられる迎え庭が、学生や来訪者を出迎えます。日差しの入る明るい居室が多く、地下1階に設けられた学園講堂にも、ガラスで製作された自然光の差し込む六字名号が舞台中央に設置されています。