医学部の拠点に創立50周年を記念した講堂が誕生
山形大学の医学部は、一県一医科大学構想の第一期校の一つとして1973年に創設され、2023年に創立50周年を迎えました。老朽化が進んだ校舎の改修整備が完成し、大講義室は「50周年記念講堂」として生まれ変わりました。
従来の大講義室は、主に入学式や講演会を開催する講堂として使用されていました。コトブキシーティングの肘メモ台付き劇場・ホールイス TS-8000シリーズが長年に渡って学生たちの学びを支えてきましたが、経年劣化により座のクッションが薄く硬くなってしまったこと、肘メモ台の傷みが課題として挙がっていました。
新たな座席の選定は、日々の講義での利用を前提にスタート。学生や大学職員が国内外のメーカーのイスをいくつか座り比べるアンケートを実施したところ、座のクッション性と肘メモ台の大きさを重要視する声が多く集まりました。採用に至ったのは、最も人気が高かった
レクチャーシアターイス LT-330シリーズです。
軽やかなデザインのレクチャーシアターイス
LT-330シリーズは、スリムな座に、くの字型の背板を組み合わせた軽快なデザインが印象的なイスです。この背板の形状は、着席者の腰や背中にフィットするだけでなく、後ろに座る人の膝周りのスペースにゆとりを生み出します。背と座には、クッション性のあるウレタンを包んだパッドを取り付け、座り心地を向上しました。イスの脚を他の席と共有していないため隣席との距離やイスの向きを自由に調整できるという、独立脚タイプの利点を生かし、今回は席と席の間隔を900mmと広く確保した配置にしました。隣席とコミュニケーションが取りやすく、ディスカッションもスムーズに行えます。また、縦通路に余裕が生まれることにより、講義中に教員が席と席の間を通り抜けられるようになりました。
座には、離着席の動作に合わせて、人の臀部~腿裏に追従するように動く「スイングアップ機構」を搭載しています。座る時に手で座を動かす必要がなく、教材や荷物を持ったままでも楽に着席が可能です。空席時は座がコンパクトに収納され、通路幅を広く確保できます。
普段はイスの脇に収納されている肘メモ台は、耐荷重30kgと強度が高く、筆記に十分な大きさを持つA3対応サイズです。必要な時だけ引き出せる回転収納式で、展開・収納する際の軌道がコンパクトなため、隣の席に気を使うことなく利用できます。また、背裏にはカップホルダーと荷物掛け用のフックを取り付けました。ペットボトルや鞄を持ち歩くことの多い学生にとって嬉しいポイントです。
イスの張地は、改修前の赤色から一新し、大学のスクールカラーであるグリーンに合わせたマラカイトが採用されました。
施設概要
山形大学 医学部の拠点である飯田キャンパスには、医学科と看護学科のほか、県内最大規模の病院である医学部附属病院が併設されています。医療を核にしたイノベーションコモンズとなるべく、教育研究さらに地域協働を通じた健康増進を図るための知と人材を集積する拠点として、大講義室の改修のほかYU-MAIセンター※及び図書館の整備が進められました。50周年記念講堂では、イスの改修にあわせてコンセントも整備され、より多目的な用途での利用が可能となり、利用頻度も上がりました。YU-MAIセンターは学生やメディカルスタッフとの協働スペース、学生の自習スペースとして活用されています。
※Yamagata University Faculty of Medicine Advanced Innovation Centerの頭文字から「YU-MAIセンター」