働きやすい環境を追求した、仮眠のためのリニューアル
佐世保市総合医療センターは、1890年の開院以来、長崎県北部を中心とした地域住民の健康を支えてきました。佐世保市立総合病院から現在の地方独立行政法人に移行した2016年から、より高度な医療環境を追求するため看護職員の増員を実施し、現在は600名以上が看護に勤しんでいます。働きやすい環境づくりにも積極的に取り組んでおり、2023年8月、体と心を十分に落ち着いて休ませられる場所として、財務課執務室だった部屋を男女別の仮眠室に改修。男性8床、女性32床分のカプセルベッド20台を導入しました。
遮音・遮光された個室に近い空間が心身の休息を醸成
カプセルベッドは、限られた居室スペース内に個室に近い空間を無駄なく設けることができるため、24時間スタッフが働く業界を中心に高い支持を得ています。今回導入されたカプセルベッドは、スタイリッシュでシンプルなアルミパネルの外観が特徴の「
SPACE D」。ベッドスペースへの出入り口がベッドに対し垂直に設けられたフロントオープンタイプと、平行に設けられたサイドオープンタイプを効率的に配置することによって、最大限のベッド数を確保しました。組み立て式のため、今回のような出入り口の開口の大きさが限られた既存の部屋にも容易に搬入でき、将来的に別の居室へ移すことも可能です。
ベッドスペースは寝返りを打てる十分な広さと、パッド付のヘッドボードに寄りかかって座れる高さもあります。遮光性のあるロールススクリーンを閉めれば、例え室内が明るくても、ベッド内では安眠できる暗さを保持。パネルは隣のベッド内の音などを伝わりにくくする遮音性も兼ね備えています。コンセントやUSBジャックも備わっているため、スマートフォンなどの充電にも便利です。
男性用の外装パネルはシルバー、女性用はバーガンディーと色を変え、視覚的な区別を図りました。内装パネルは温かみのあるナチュラルカラーの木目で、狭さを感じさせず穏やかな眠りに誘います。
実際に利用した看護師からは「ナースコールから離れ、静かな環境で休めるようになった」「勤務と休息のメリハリをつけて働くことができる」「ソファでは横になった後に身体が痛かったが、カプセルベッドは快適」などの声が上がり、プライベートを保てる空間での心身のリフレッシュに貢献しています。
施設概要
長年にわたって市民の健康を守って来た佐世保市総合医療センターは、人材確保や労働環境の改善の観点から、3交代制だった勤務形態を2交代制に確立するなど、働きやすい環境づくりに力を入れてきました。かつての夜勤等での仮眠は、ナースステーションのソファで横になることが当たり前でしたが、リニューアルによって仮眠室へカプセルベッドを導入。仮眠室手前の休憩室にもハートフルな壁紙を用いるなど、勤務で張り詰めた気持ちをリセットして短時間で心身を休ませる工夫がこらされています。