鳥取県庁
本会議場

2025.03.13
議場

施設説明

バリアフリーとデジタル化を意識した改修で「ひらかれた議場」に

建設から約60年を迎えた鳥取県議会 議会棟の改修が行われ、新しい議場に生まれ変わりました。暖色系のカーペットが印象的だった旧議場のイメージを一新するのは、カーペットやイスの張地に採用されたブルー。議場家具の木部とのコントラストが、空間に議場らしい気品と落ち着きを与えます。リニューアル前と同じ馬蹄形に並ぶ議員席の机イスは、床固定式から可動式に変わりました。感染症対策として席と席を離すことも容易で、将来的なレイアウトの変更や席数増減などにも柔軟に対応できます。議場内にあった段差はバリアフリーに配慮し取り払い、車イスユーザーを含めた誰でも利用しやすい環境を整えました。新設された大型スクリーンには配布資料や会議の進行状況などを映像で映し出すことができ、議場を訪れる県民に、より分かりやすい傍聴環境を提供します。

新たな議場家具のキーワードは「可動」と「可変」

議員席と執行部席のイスは、議会用イスAC-3700シリーズのキャスター移動式タイプ。直線を基調としたシンプルかつモダンなデザインが、議会の品格を印象付けます。三つの山に分かれて背中から腰までをサポートするクッション形状と、ゆったり腰を据えられる座の奥行は、快適な座席をつくり上げる立役者。緩やかなカーブを描く天然木の肘掛けには県産材のヒノキが用いられました。背座のウレタンクッションと相まって、着席者の身体を指先まで優しく受け止めます。キャスターを使って席を前後左右へ自在に動かせるだけでなく、体格に合わせて座面の高さを調整できるガス上下機構内蔵されており、座り心地と操作のしやすさが好評です。
改修前の議員席の机は、複数人掛のため隣席からの振動などが伝わりやすい構造でしたが、新しく1席ずつ独立した机になり快適性が向上。イスの肘掛けと同じ県産材を使うことで、目地を生かしたプレーンな装いの中で地域色を際立たせました。悠々とした落ち着きのある据置式の見た目ながらも、天板下にある上下操作レバーを動かすと机全体がリフトアップし、脚先に隠れていたキャスターが出現する可動タイプです。上下操作レバーの横には角度可変レバーがあり、左右に操作すると机の両側面角度を0度から5度置きに4段階まで変更可能。R配置や馬蹄形配置、直配置などの様々なレイアウトのスムーズな構成に真価を発揮します。
発言台にも机と同様の素材を用い、デザインも揃えました。天板の左下に設けた黒いレバーを操作するだけで誰でも簡単に高さを調整できる電動昇降式のため、車イスのままでも利用することができます。天板の右下にある差込口へ専用のハンドルを挿し回すと、本体がリフトアップし、キャスターが出現して移動が可能になります。

施設概要

鳥取県庁は本庁舎、第2庁舎、議会棟及び議会棟別館で構成されています。1962年に竣工した議会棟は、老朽化を背景に初の大規模改修を実施。これからの環境の変化に柔軟に対応できる持続可能な議会運営づくりと、県民の誰もが議会活動に参加できる環境整備、そのための県民の利便性向上が大きなテーマでした。机やイスの入れ替えのほか、各種設備の更新やデジタル議会運営システムの導入を経て、新たな議場へと生まれ変わっています。

居室データ

所在地
680-8570 鳥取県鳥取市東町1-220 地図
施主
鳥取県
納入
2024年8月
席数
35
関連リンク
鳥取県議会 WEBサイト