機能・人が集まる場所を目指した複合庁舎
「くずま~る」は、岩手県葛巻町の新たなまちなか交流拠点として建設された複合庁舎です。
施設名のくずま~るは、「葛巻」と「人が集まる」を組み合わせた造語です。
「葛巻の中心に“機能”や“人“が集まる」ことをコンセプトに、コンパクトシティの視点を取り入れ、行政・交流・商工・金融などの機能を兼ね備えています。2022年11月に開庁し、5階建ての庁舎には多様な設備が整っています。町民の賑わいの創出を目的として創設された「まき×まきホール」には移動観覧席が導入され、屋内交流の場として多目的に利用されています。
フルオートの移動観覧席で手軽な収納・展開を実現
まき×まきホールに導入された190席の
移動観覧席は、電動・フルオートで座席の収納から展開までリモートスイッチ1つで操作でき、利用シーンに応じて短時間で簡単に設営することができます。リモートスイッチには液晶画面と音声案内が搭載されており、誰にでも手軽に操作ができます。操作が適切に行われなかった場合は、動作を一時停止する機能もあり、液晶画面に表示される対処法に従って、トラブルやエラーにも迅速に対応できます。
移動観覧席は、壁面に本体を収納できるので、展開時は講演会や発表会などに、収納時は机やイスを置いてワークショップや展示など、さまざまな催しに活用されています。
通常は町民活動のイベントの観覧席として、災害などの緊急時には平土間を避難場所として活用することができます。予期しない事態への備えとして、フレキシブルな空間活用ができるため、防災拠点となる庁舎の多目的ホールに、移動観覧席の導入が全国に広がっています。
葛巻のキャッチフレーズを取り入れた、オリジナリティあふれるイス
移動観覧席に搭載されているイスは、シンプルさを追求した
タイプSが採用されました。張地には通気性と強度性に優れたメッシュ布地を使用しており、快適な座り心地で、長期間使用しても劣化しにくい環境にやさしい仕様です。2階席には、54席の固定席、TS-6228Sが設置されています。移動観覧席と同じ張地を使用することで、ホール全体に統一感をもたせています。
また、張地には、葛巻町のキャッチフレーズでもある「ミルクとワインとクリーンエネルギーの町」を象徴する色合いが取り入れられています。サンドベージュ(ミルク)、ローズワイン(ワイン)、マカライト(クリーンエネルギー、林業)の3色をアクセントに、落ち着いたチャコールカラーのイスにバランス良く配置されています。カラフルなイスは、木をふんだんに使った温かみのあるホールに美しく調和し、葛巻らしさが感じられる、町民に永く愛される空間となっています。
施設概要
くずま~るは、葛巻町役場の機能を中心に、多目的ホールの「まき×まきホール」や図書・サロン・勉強カフェが集約された「まなベース」、町民が自由に利用できる憩いのスペース「ふり~じゅ」、町商工会事務局、金融機関なども併設された町のランドマーク的建物です。二期工事では、施設の西側に大屋根広場「びっくテラス」や盛岡中央消防署葛巻分署を整備予定で、平成29年に完成した葛巻病院(医療機能)と併せて「求心性のあるまちの賑わい創出」を目指しています。
周辺の山並みと調和する建物形状や町の特産品であるワインのボトルをイメージした外装ルーバーが採用されおり、内外装はミルクカラーやワインカラーで彩られています。
地元産の木材をふんだんに使用した親しみやすい空間が、町のキャッチフレーズを体現する環境にやさしい施設となっています。「葛巻らしさ」があふれる交流拠点として、町民の笑顔あふれる魅力的なまちづくりが進められています。