小倉昭和館

2024.12.17
映画館

施設説明

火災による全焼から、映画ファン待望の再オープン

小倉昭和館は、北九州市民の台所として親しまれる旦過市場に隣接した、老舗の名画座です。1939年の開館以来、地元のみならず著名な文化人や映画人にも愛されて来ましたが、2022年8月に起きた旦過地区火災により建物が全焼。その後多くの映画ファンの後押しを受け、クラウドファンディングと義援金により、2023年12月に待望の再オープンを果たしました。127席のコンパクトで一体感があるスクリーンです。

ショールームで選び抜いた快適なシネマシート

新たなスクリーンの客席づくりは、コトブキシーティングのショールームの訪問に始まります。「応援していただいている方々のために、良い映画館をつくりたい」という想いで、館主と設計デザイナーがショールームにあるイスをじっくりと座り比べました。ふかふかした心地良さが決め手となり選ばれたのは、コトブキシーティングのラインナップの中でもロングセラーのCN-552642です。被災前のシネマシートもコトブキシーティング製でしたが、快適さは大きく進化しています。
イスの座にはクッションとなるウレタンの他に、体圧を分散して豊かな座り心地を提供する波形スプリングが内蔵されています。背中から頭部までしっかりとホールドする大きな背もたれと相まって、長時間でも疲れにくい快適な映画鑑賞をサポートします。スクリーンからの距離と位置関係に応じて、背もたれの角度を変えた3種類の座席を並べることで、見やすさにも配慮しました。背もたれの張地はグリーン、座は汚れが目立ちづらいブラックです。座の張地にはファスナーがついており、誤って座面に飲み物をこぼしてしまった場合でも、スタッフがすぐに取り換えて次の上映に備えることができます。肘当てと背裏は、さっと汚れをふき取ることが可能なメンテナンス性の高い合成樹脂製。背裏には荷物掛けフックと傘ホルダーもあり、スペースの限られた客席での居心地を高めています。

再建を支援・応援する映画人の名前を刺繍したイスの背もたれ

コトブキシーティングのショールームで決まったのは、イスに加えて、背もたれにネーム刺繍を施すことでした。背番号や文字を美しく刺繍する技術を見た小倉昭和館の館主が、再建を支援・応援する映画人の名を記すアイディアを出し、リリー・フランキー氏や光石研氏をはじめとした小倉昭和館を応援する俳優や映画監督ら40人の名前を記しています。刺繍には金色の糸が使われ、薄暗いスクリーン内でも存在感を放ちます。映画館を訪れる観客にも、自分が座る席に刺繍の名前を見つける楽しみができました。

施設概要

1939年に開館した小倉昭和館は、隣接した旦過市場の火災による建物全焼を経て、2023年11月に再オープンしました。火災直後は再建への難しさを感じていた館主が、老舗の名画座を愛する映画ファンや映画人の声を受け、再建を決意。クラウドファンディングでは約4000万円が集まりました。デジタル用の映写機だけでなく、以前と同じ35ミリフィルム用の映写機も導入。被災後に残ったかつてのシンボルのネオン看板をロビーに設置するなど、創業者や地域の人々の想いも引き継ぎながら、小倉の街で愛される映画館として、新たな歴史をスタートしています。

居室データ

所在地
802-0006 福岡県北九州市小倉北区魚町4-2-9 地図
施主
小倉昭和館株式会社
オープン
2023年12月
席数
127