市民利用から国際大会まで、幅広く利用されるテニスセンター
モリタテニスセンター靭は、約5,000人の観客を収容できるセンターコートを筆頭に、サブセンターコート1面、一般コート14面の計16面の全天候型ハードコートを有した施設です。大阪市民はもちろん、本格的な国際大会にも利用されるなど、アマチュアからプロまで幅広いテニスプレイヤーに愛される施設として人気を集めています。
1996年のオープンから約30年が経過し、老朽化のためリニューアル工事を実施しました。観客席の防水工事とともに、背座の色あせや塗装剥がれ、金物のサビなどが目立ち始めていたイスもあわせてリニューアルしています。
エコで無駄のない客席リニューアル
観客席はコートに近い貴賓席、コートサイド席と中通路から上段にはスタンド席があります。スタンド席のスタジアムシートFRP-1908は利用頻度も考慮し、イスの上台はそのままに、連結管のみ交換することで、施工費の削減と工期短縮を実現しました。
交換が必要な部分は取り替え、リユースできる部分は活用する、環境に配慮したリニューアルです。シートのリニューアルに合わせて、全ての席のナンバープレートや貴賓席に設けられた肘カップホルダーも一新しています。
コートサイドにあるスタジアムシートBLM-4152は、退色や塗装の剥がれなどは見られるものの、割れなどの大きなダメージがないため、既存脚部を再塗装し、再利用することで、資源の有効活用と耐久性の向上を図りました。色あせが激しい背座のみツーピースタイプのスタジアムシート
BLM-5100シリーズに入れ替えを行っています。
快適、省スペース、高強度。長時間の観戦をしっかりサポート
BLM-5100シリーズの背もたれは、着席した人の身体を包み込むような緩やかなカーブがついており、長時間座っていても疲れにくい形状になっています。また、着座したときの衝撃を吸収するダブルシェルの中空構造を採用しており、背中やお尻に掛かる負担を軽減してくれます。
BLM-5100シリーズの魅力は快適性や省スペースな設計だけではありません。
高密度ポリエチレンをブロー成形しており、高い強度も兼ね備えています。
テニスボールなどが当たっても割れにくいうえ、耐熱性や耐水性にも優れているため、直射日光や雨などの影響を受けても劣化しにくいところが特徴です。
さらに、ツーピースタイプのイスは、空席時は座面が跳ね上がり、座の奥行寸法が通路寸法に影響しないところもポイントです。座面を大きく確保できるため、ゆったりと座れます。
また、起立時に通路スペースを広くとることができ、席を立つ際にもスムーズに移動ができます。災害など避難しなければならないときに動線を確保しやすいのも大きな利点です。
今回のリニューアル工事では、明るく鮮やかな緑色のシートがテニスコートのグリーンと調和し、施設全体に統一感をもたらしています。また、従来の印象を保ちながらリユースを実現し、これからも長く愛される施設へと生まれ変わりました。
施設概要
モリタテニスセンター靭は、大阪市西区の都市公園「靫公園」内に位置する大型テニス施設で、1996年にオープンしました。ビジネス帰りの社会人がテニスを楽しむ場所として親しまれる一方、国際的なテニス大会も開催されるなど、多彩なシーンで利用されてきました。この施設はスポーツの活性化を担う中心的な存在であり、津波や水害をはじめとした災害時の指定緊急避難場所としても重要な防災拠点となっています。さらに、テニスコートはすり鉢状の観客席にぐるりと囲まれており、観戦者は迫力ある試合を楽しむことができます。