宇部市役所
議場

2024.11.19
議場

施設説明

災害に強く、SDGs未来都市とサステナブルな、人にも環境にも優しい庁舎

建設から60年以上が経過した山口県宇部市の旧庁舎では、老朽化、耐震性能と防災拠点機能の不足、またユニバーサルデザインへの対応不足など様々な課題があり、庁舎の建て替えを進めています。建替工事は2025年夏頃に完了予定です。
新庁舎は「つながって みんなでつくる 無駄がなく 美しい 市民自治の拠点」という基本理念のもと、周辺広場・歩道などを一体的に整備することにより賑わいの空間を創出する役割を担うとともに、安全性や快適性など、備えるべき機能を有する行政の拠点となります。
議場は議会だけでなく、多目的に利用ができる空間としています。

フレキシブルに動かせる議場家具で空間の多目的活用を促進

「市民に開かれた議会」を目指す議場は、議場家具を並べると議会モード、議場家具を収納してフォールディングテーブルとスタッキングチェアを出すと会議モード、全てを収納するとフラットな平土間と、3パターンに変化します。コトブキシーティングが納入した全ての議場家具にはキャスターが備わっており、ロックを解除することで簡単に移動できます。
議会用のイスは、コンパクトながらも議場にふさわしい品位のあるデザインです。張り包みの背座に、天然木の肘当てが寄り添います。背もたれを倒して専用台車に乗せると、レールが備わった倉庫に省スペースで収納が可能です。倉庫の一部は、1段高い位置にある傍聴席の床下に設けられました。本来はデッドスペースとなる場所のため、空間の効率的な活用に成功しました。
議場机は、据置式と変わらないすっきりとした佇まいです。市民に親しみを持ってもらえるように施した、議場では珍しい意匠性の高い目地が、木部の質感を強く引き立たせています。議長席の雛壇も、同様の意匠で仕上げました。雛壇は、側面にある扉を開けてキャスターロックを操作すると、移動することが可能です。マイクユニットなどの配線用の点検もこの扉から行います。
議長席・事務局長席の後ろに配置する移動式バックパネルは、机や雛壇と同じ意匠で製作されました。入退場時の動線を隠すことによって、議会の品格を印象付ける効果があります。通常は床に固定されていますが、宇部市では全国初の試みとしてキャスターが付いた移動式を採用することによって、平土間に転換した際の完全なフラット化を実現しました。

スタッキングチェアで構成した記者席と傍聴席

記者席と傍聴席は、催しによって席を自由にレイアウトできるよう、スタッキングチェア「Axis アクシス」FC-310シリーズで構成されています。ウレタンフォームと樹脂繊維コアによる二層構造の座のクッションが、見た目の薄さに反する底付き感のない快適な座り心地を提供します。記者席にはメモ台付きのFC-314Tを、傍聴席にはアームレスト付のFC-312を採用しました。いずれも平置きで積み重ねができ、省スペースに収納が可能です。

居室データ

所在地
755-8601 山口県宇部市常盤町1-7-1 地図
施主
宇部市
設計
佐藤総合計画・美建築設計共同企業体
オープン
2022年5月
席数
112
関連リンク
宇部市 WEBサイト